必要な時につながらない。東日本大震災で浮き彫りになった携帯通信網の脆弱性。その教訓を生かし、無人飛行機や気球を中継役に使う「空中基地局」の開発が進む。災害時の「圏外」を根絶することができれば、人命救助などにも貢献しそうだ。

 画面に映し出される「圏外」の表示――。東日本大震災の直後、基地局の倒壊やケーブルの切断、停電により、各社の通信サービスは沈黙した。総務省によると、携帯電話とPHSを合わせると最大約2万9000の基地局が機能を停止。安否確認や救助活動、避難所運営に支障を来した。

 この教訓を生かし、災害時も使い続けられる通信網を構築するための試みが進んでいる。その1つが、空中などに代替の基地局を設け、回線を確保するバックアップ体制の強化だ。

 情報通信研究機構(NICT)が開発中の技術が、小型の無人飛行機を活用した「無線中継システム」。大規模災害などの発生直後、外部との通信が寸断された「ネットワーク孤立地域」との通信手段を迅速に確保するため、無人飛行機を電波の中継役として使う。

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