米国の銀行融資を組み込んだ投資信託が増えている。金利が変動するため、金利上昇局面に強いのが特徴とされる。しかし量的緩和縮小で大きく値下がりするリスクと裏腹だ。

 米国の量的金融緩和が出口戦略へと向かう中、その動きに狙いを定めた投資信託の設定が増えている。それは、米国の「バンクローン(貸付債権)」と呼ばれる資産に投資する投信だ。バンクローンは銀行の企業向け融資を指す。米国には複数の銀行融資を束ねて証券化し、売買する市場が存在する。

 格付けは「ダブルB」と投資適格未満だが、平均利回りは6%超。同じく投信で人気を集める米低格付け社債(ハイイールド債券)の利回りに匹敵する。

 バンクローンの一番の特徴は金利が変動することだ。通常、債券を投資対象とする投信は、金利が上昇すると組み入れている債券の価格が下落するため成績に悪影響が出る。しかし、バンクローンの金利が市場実勢に合わせて動くため、金利上昇による利息収入の増加分が債券価格の下落を抑える。つまり、金利上昇への抵抗力が強いというわけだ。米連邦準備理事会(FRB)が今後、量的緩和の縮小から金融引き締めへと徐々に舵を切れば金利上昇圧力は強まる。バンクローンのほかの債券に対する優位性は高くなる可能性がある。運用会社各社がバンクローンに注目する理由はここにある。

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