環境汚染の問題が指摘されるシェールガス。米国ではどのような規制があるのか。光成美紀・ファインブ代表取締役に聞いた。

 シェールガスやオイルの生産拡大に伴い、環境問題に注目が集まっている。シェールに起因する環境問題には次のようなものがある。

 まず、水の大量使用だ。フラクチャリング(水圧破砕)をする際、1回に700万~1900万リットルの水を使い、しかも井戸1本につき複数回のフラクチャリングを行うため、水資源への影響が懸念されている。

 大気や水質を汚染する懸念もある。フラクチャリングに使用する水には、わずかだが揮発性有機化合物質(VOCs)などの化学物質を含んでいるため、これが大気に放出されたり、地下水を汚染するのではないかというものだ。

 あるいは、井戸掘削や廃水注入などが地震を誘発するリスクがあるという指摘もある。米国地質調査所の調査によると、2001~2011年にマグニチュード3以上の地震が発生した年間平均回数は20世紀の平均に比べ6倍以上になっているという。

 こうした問題に対する新たな規制としては、連邦法では2015年に施行される大気汚染に関する規制がある。天然ガスの大気への放出を防止するための設計を義務づけるというものだ。

 現在、実質的にシェール開発を規定しているのは州法だ。以下の表に主な規制項目と州ごとの規制状況、テキサス州の具体的な規制をまとめた。

 開発する場所をはじめ、掘削する井戸に使うセメントの種類や廃水の保存方法など、州ごとに細かく規定している。例えばテキサス州では、学校などの建物から60m離れていなくては開発は許可されないし、ガス漏出や火災などの事故が起きた場合には即時に報告しなければならない。

 これら法規制に加え、最近では業界団体による自主規制も設けられており、規制を守れない事業者は生き残れない状況だ。(談)

出所:各州の規制、Resource for the Future各種研究レポートを基にFINEVまとめ。詳細はwww.finev.co.jp 参照
日経ビジネス2013年9月23日号 88ページより

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