ウェブ上の悪ふざけ投稿による「炎上」が後を絶たない。少数の従業員や来店客の不用意な行動で、閉店に追い込まれるケースも続出。企業はこの新たなリスクをどう管理すればいいのか。

 食品を保管する冷蔵庫の中に入る、食材で遊ぶ、店内で服を脱ぐ…。目を覆わんばかりの「悪ふざけ画像」により、実害を受ける小売店や飲食店が相次いでいる。撮影者がこうした画像をウェブに上げる動機を一律に論じるのは難しいが、不特定多数の目に触れる状態になることや、それによる社会的な影響に思いが至らず、多くの場合は面白半分に公開しているようだ。

 こうした状況について、従業員に対する店側の管理不徹底を指摘する声もある。だが、ウェブ上では「もはやバイトによるテロ」「おちおちバイトも雇えない時代」などと、投稿者側の意識の低さを問題視する意見が大勢を占める。画像や文字情報を手軽に他人と共有できるデジタル機器が普及したことで、以前なら公になりづらかった一部の人間の不適切な行為が、当該店舗やチェーン全体の経営にも影響を及ぼすようになっているのは間違いない。

対抗策には法的措置も
ウェブ上の投稿が問題となった主な例


投稿され、問題となった画像の概要従業員が店内の冷凍庫に入っている様子
対応策など当該店とのFC(フランチャイズチェーン)契約を解除、従業員向け注意書きにイラストなどを追加して見やすく改訂


画像の概要客が店内の冷凍庫に入っている様子
対応策など投稿した客を威力業務妨害で京都府警が書類送検。7月にアルバイト向けに「みだりにウェブに投稿しない」といった内容の誓約書を作成


画像の概要従業員がパンの上に寝転んでいる様子
対応策など従業員は解雇。SNS(交流サイト)などにより損害を及ぼした場合には損害賠償の可能性があることを文書で全従業員に周知


画像の概要従業員が店内の冷蔵庫に入り顔を出している様子
対応策など当該アルバイトは解雇、店舗閉鎖。制服を着たら携帯電話を持たないことなどを記したルールを各店に送付


画像の概要従業員がピザの生地を顔に押しつけている様子
対応策など従業員一人ひとりに冊子を渡し、問題行動を起こすと自分の将来に大きな影響を与えることを伝えてきたが改めて徹底させる


画像の概要従業員らが冷蔵庫やシンクの中に入っている様子など
対応策など従業員を解雇。法的措置も検討中。携帯を持ち込まない、店内を撮影しない、SNSなどに書き込まないといった誓約書を作成


画像の概要来店客がソース容器の出し口を鼻に突っ込む様子
対応策など容器の洗浄を徹底し、従業員は客席の様子に注意を払う


画像の概要客が商品陳列什器の上に乗ったり、冷蔵ケースに入ったりする様子など
対応策など夜間などの巡回を強化し、監視カメラのチェックを徹底する

ポスターや誓約書で注意喚起

 この現状に、企業はどう対処したらいいのか。コンビニエンスストア大手のローソンでは7月、フランチャイズ加盟店の高知鴨部店(高知市)の従業員が、アイスクリームなどを入れる店内ケースの中に入っている画像がウェブに上がっていることが発覚。ただちに当該店舗を営業停止とし、フランチャイズ契約を解除した。

次ページ リスク管理に難しい判断