夏季五輪の招致で東京に敗れたトルコ・イスタンブール。エルドアン首相は安倍晋三首相を祝福したが、失望は深い。同首相が描いてきた外交・成長戦略は「切り札」を失った。

 「イスラム圏初のオリンピック」は実現できなかった。2020年の五輪招致合戦で、トルコの最大都市イスタンブールは東京に敗れた。

車体をラッピングしたバスで五輪招致をアピールしたが…

 落選が決まると、トルコのエルドアン首相は笑顔で安倍晋三首相に抱擁して祝意を伝えた。だがその光景とは裏腹に、誰より深く失望しているのはエルドアン首相その人だろう。肩入れしてきた招致活動が空振りに終わったから、というだけでなく、同首相が描くトルコの外交戦略、成長戦略の重要な「切り札」を失うことになったからだ。

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