客と厨房を一直線にレーンでつなぐ、“回らない”寿司店が増えている。廃棄ロスや人件費の削減で運営効率は劇的に改善。提供時間も大幅に短縮した。原料高、人材不足に悩む外食にとって、「直送配膳」は大きな魅力を秘める。

 とある平日の午後7時。JR渋谷駅から徒歩6分の場所にある「魚べい渋谷道玄坂店」は、90ある席の大半が会社員や学生、外国人観光客で埋まった。

東京都渋谷区の魚べい渋谷道玄坂店。カウンター90席を用意(写真:大高 和康)

 ここは、回転寿司チェーンの元気寿司が昨年7月に開いた都心型寿司店の初号店。店内に足を踏み入れても、お馴染みの回転レーンは見当たらない。

 置かれているのは厨房から客席まで真っすぐに伸びる3段重ねのレーン。客がタッチパネルでメニューを注文すると、その情報が即座に調理場へ伝わり、カウンター前面に走るレーンを通って出来たての寿司が届く。その間わずか1分弱と圧巻の速さだった。

次ページ “最高速度”は従来の約10倍