2020年の夏季オリンピックとパラリンピックが東京で開催されることに決まった。長期に及ぶ景気低迷からの脱却と、東日本大震災からの復興を急ぐこの国に、世界最大級のイベントは一体、何をもたらすのか。56年ぶりの開催となる東京五輪まであと7年。マクロ経済への影響から新たに生まれるビジネスチャンスまで五輪決定によって起きる変化を予測した。

(東京五輪特別取材班)


 9月7日(日本時間9月8日早朝)の国際オリンピック委員会(IOC)総会で決まった2020年の東京五輪。世界最大規模の「スポーツの祭典」の開催が決定したことで、長きにわたる停滞からの脱出を目指す日本経済への好影響が早くも期待されている。そんな中、新たな言葉が登場した。

 アベノリンピクス――。

 安倍晋三首相が推し進める「アベノミクス」に「オリンピック」を掛け合わせた造語だ。命名したのは慶応義塾大学教授で政府の産業競争力会議の議員でもある竹中平蔵氏。「大胆な金融政策」「機動的な財政出動」「民間投資を喚起する成長戦略」というアベノミクスの3本の矢に加えて、オリンピックによる後押しが“第4の矢”として加わることを意味する。

 竹中氏は「五輪誘致による直接的な経済効果はそれほど大きくはないだろう。しかし、アベノミクスとの相乗効果により、経済成長への追い風になるのは間違いない」と話す。

 東京五輪が開かれる2020年は区切りが良いため、様々な目標が置かれている年でもある。「例えば、プライマリーバランス(財政の基礎的収支)の黒字化目標年次でもあるし、東京都の耐震改修促進計画もこの年を区切りとしている。五輪も含め、世の中がある年次を目標として共有し、それに向けて行動していくことの意義は小さくない」(竹中氏)。

 東京五輪決定は今後、日本経済にどんなインパクトをもたらすのか。次ページから、「アベノリンピクス」の行方をより具体的に予測していく。

CONTENTS

先端技術のショーケース
東京はもっと進化する

アベノミクスに追い風
景気回復、実感増す

外国人客をつかめ
商機当て込み、始動


日経ビジネス2013年9月16日号 8~9ページより目次