インターネットで購入したものが、その日のうちに家に届く。これまで東京など一部地域に限られていた当日配送が、大きく進化しようとしている。対象エリアが一気に拡大し、多くのネット通販業者も新たに取り組み始めた。放っておけばコストや手間が膨らむこの「超速配送」を、どう実現していくのか。宅配便の雄、ヤマトホールディングスは2000億円を投じて新たなインフラを構築し、企業間物流や製造業向けの巨大市場を本格的に攻める。ネット通販で独走する米アマゾン・ドット・コムはさらなる効率化に執念を燃やし、楽天やヤフー、アスクルなどのライバルも独自の戦略で果敢に追随する。多様な付加価値を取り込みながら、ヒト・モノ・カネを吸い寄せ始めた物流。その大激変のうねりは、東京での五輪開催が決まった日本の産業構造をも変容させる。
CONTENTS
1章 ヤマト運輸
ヤマト、2000億円の賭け
超速革命、工場動かす
2章 amazon.com
独走アマゾンの執念
王者と組んだ王者