国内最小の自動車メーカー、富士重工業が今、空前の好業績を上げている。新興国は富裕層しか狙わない。コンパクトカーも作らないという異色のビジネスモデル。死角もある。中国などでの成長戦略を描けていない。勝ち続けられるのか。

新型車「スバルXVハイブリッド」の会見に登壇した吉永泰之社長(写真:アフロ)

 「売れない気がしないんだよね」

 今年6月、富士重工業初のハイブリッド車(HV)「スバルXVハイブリッド」の発表会見場。吉永泰之社長は去り際にこうつぶやいた。直前の会見で「HVの投入は最後発だから心配です」と謙遜したばかり。その胸に秘められた、強烈な自信が垣間見えた瞬間だった。

 つぶやきは的中した。発表後2週間で、受注は月間販売目標の10倍に到達。その後もペースは落ちず、8月の段階で年内納車は不可能という空前の大ヒット車となった。

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