2013年5月13日号
-
特集 メコン 2020年、新「世界の工場」へ
中国七重苦を回避せよ
世界の製造業でメコンシフトが静かに、そして着実に進行している。中国は、安価な労働力を武器に「世界の工場」となった。だが、事業環境の悪化が積み重なり、工場の「脱中国」が止まらない。
-
特集 メコン 2020年、新「世界の工場」へ
タイを中心に広域生産体制へ
「近い将来、タイの生産を年100万台に引き上げる」。トヨタ自動車の豊田章男社長は昨年11月、タイ現地法人の50周年式典でこう宣言した。中国販売が伸び悩む中、タイを日本や米国に次ぐ生産拠点に位置づけた。
-
特集 メコン 2020年、新「世界の工場」へ
先行企業の決断
世界の工場として重要性が高まるメコン地域。デジカメや日用品など5業種について先行する企業の事例を見る。日系メーカー各社は既に持つ基盤を生かしてさらなる生産体制強化を急ぐ。
-
特集 メコン 2020年、新「世界の工場」へ
レンズ交換式で生き残る
日系メーカーが圧倒的な存在感を誇ってきたデジタルカメラ市場で構造変化が起きている。世界のカメラメーカーが加盟するカメラ映像機器工業会(CIPA)によると、全世界の出荷台数は2010年に1億2150万台とピークを迎えた。
-
特集 メコン 2020年、新「世界の工場」へ
賃金水準に敏感に反応
製造業の中で最も労働集約的なアパレル業界では、2000年代から「脱中国」の動きが顕在化している。衣料品は生地とミシンがあればすぐに生産に取りかかれるので、電力インフラがまだ十分に整っていない最貧途上国でも工場を設置できる。
-
特集 メコン 2020年、新「世界の工場」へ
“地産”が競争力の源泉
経済発展に伴ってASEAN全体で洗剤や化粧品など日用品の需要も伸びている。特に新しく台頭してきた中間層は先進国のブランドに対して強い憧れを抱いているため、市場としての成長性は高い。
-
特集 メコン 2020年、新「世界の工場」へ
日本食人気を生かす
メコン地域は農林水産資源が豊富であるため、食品メーカーが原料を調達するうえでメリットが大きい。特にベトナム南部のメコンデルタ地域やタイ南部では2期作が当たり前で、この2カ国だけで全世界のコメの輸出の大半を占めている。
-
特集 メコン 2020年、新「世界の工場」へ
経済指標では見えてこない実像
1人当たりのGDP(国内総生産)が1000ドルを突破するとスーパーなどの「モダントレード(近代小売業態)」が普及すると言われている。2012年時点でベトナム(1528ドル)とラオス(1446ドル)はこの目安を超えているが、カンボジア(934ドル)とミャンマー(835ドル)は下回っている。
-
特集 メコン 2020年、新「世界の工場」へ
日本製造業のラストリゾート
沖縄県尖閣諸島を巡る問題が先鋭化したことで、日本の産業界は中国事業の難しさを再認識した。その反動で東南アジア諸国連合(ASEAN)の国々に対する関心が高まり、「チャイナプラスワン」という言葉が新聞紙上を連日賑わすことになった。