1960年代の高度成長期に大量に建設された日本のインフラ。それから50年が過ぎ、老朽化は静かに、しかし急速に進行する。多数の死傷者が出たトンネル事故のようなリスクは高まるばかり。危機を未然に防ぐ大規模な更新・補修は大幅に遅れている。立ちはだかるのは必要な財源が足りないという大きな壁だ。官に限界が見える中、民間の資金とノウハウを活用できるか。“老朽化先進国”の米国と欧州も現地取材して、答えを探した。

(中野目 純一、山崎 良兵、森岡 大地、ロンドン支局 大竹 剛、真鍋 政彦=日経コンストラクション)


老朽化は急ピッチで進む――建設後50年以上経過した橋、トンネルの割合

CONTENTS

迫りくる崩壊の足音
朽ち果てる日本

老朽化先進国・欧米の挑戦
民の力はこう生かせ

問われる官の「覚悟」
荒廃防ぐ最後の好機

日経ビジネス2013年2月11日号 24~25ページより目次