2013年2月4日号
-
特集 庶民が相続税を払う日
2015年、遺産蒸発
政権交代を機に景気浮揚の兆しが見え始めた裏で、増税計画が着々と進んでいる。消費増税とともに税収増加策の要となるのが、相続税基礎控除額の大幅引き下げだ。たとえ庶民であっても相続の悩みが他人事でなくなる日が近づいている。
-
特集 庶民が相続税を払う日
親の財産は持ち家だけだから大丈夫
(1)親の財産は持ち家程度(2)その家があるのは首都圏(3)父は既に他界、実家では母が一人暮らし(次の相続は夫から妻への「1次相続」でなく、親から子への「2次相続」になる)(4)一人っ子である(5)自分も持ち家を所有している(場所は日本全国どこでも可)以上の5項目に該当する人は、何はさておき下の方の地図を見ていただきたい。
-
特集 庶民が相続税を払う日
「ウチは関係ない」の罠
親の遺産が少ない、相続人同士で話し合いがついている…。そんな状況であっても、相続税や遺産分配を巡るトラブルは発生する。「ウチには関係ない」。そう思っている中間層こそ早急な対策が必要だ。
-
特集 庶民が相続税を払う日
兄弟仲がいいから大丈夫
都内屈指の高級住宅街、目黒区柿の木坂のほど近く。街の中心から少し離れた一角に古い洋館が立っている。敷地は数百坪ほど。かつてこの家には、3姉妹が睦まじく暮らし、近所でも評判の仲のいい家族だった。
-
特集 庶民が相続税を払う日
もめるほどカネがないから大丈夫
事件は、母親の100カ日法要後の酒席で起きた。酒に酔った兄が弟に一升瓶を投げつけ流血。もみ合いになり、警察を呼ぶ騒ぎにまで発展したのである。「映画やドラマではよく見る風景。でもまさか自分が当事者になるとは」。被害者のC氏(64歳)はこう振り返る。
-
特集 庶民が相続税を払う日
既に話がついているから大丈夫
「相続増税の破壊力や、遺産相続の怖さはよく分かった。だが、ウチは財産の洗い出しから分配方法、節税対策まで当事者間で既に話し合いがついているからまず問題は起きない」
-
特集 庶民が相続税を払う日
まだまだある 庶民を襲う相続の落とし穴
以上、相続増税後に出現すると見られる「庶民だからこそ陥る相続の落とし穴」を様々な角度から検証してきた。落とし穴はまだまだあり、制度改革が2年後に迫る中、相続課税の対象者になる可能性がある人は、早急に対策を打つ必要がある。
-
特集 庶民が相続税を払う日
税務署の目は絶対にごまかせない
「相続課税対象者が増えるなら税務署は激務になり、少額相続の些細な不備などは把握されないのではないか」。そんな考えが頭をよぎる人も一部にはいるだろう。だが徴税の最高権力機関、国税局を侮ってはいけない。ベテラン国税担当記者がそのすさまじい調査能力を明らかにする。
-
特集 庶民が相続税を払う日
遺産は大地に還す
潮風に吹かれながら東京湾アクアラインを抜けると、千葉県君津市の郊外へと導かれる。都心からクルマでおよそ1時間。どこか懐かしい「昭和」の空気が漂うこの街の一角に、その不思議な光景はある。