ファミレス再生物語

『50円のコスト削減と100円の値上げでは、どちらが儲かるか?』
林 總著
ダイヤモンド社
1575円
ISBN978-4-478-01629-9

 小説仕立てで管理会計を解説する。舞台は赤字続きのファミリーレストラン店舗。隣には低価格を売り物とする全国チェーンが出店予定で閉店の危機にある。改革を任された大学生アルバイトの菅平ヒカリが「財務の視点」「顧客の視点」「業務プロセスの視点」「学習と成長の視点」でバランスよく経営を行う「バランススコアカード」の理論を軸に店を再生していく姿を描く。


モノのロングテール描く

『MAKERS』
クリス・アンダーソン著
NHK出版
1995円
ISBN978-4-14-081576-2

 雑誌「ワイアード」US版編集長でベストセラー『ロングテール』『フリー』の著者が、今、起きつつある「新産業革命」の動きを描く。

 モノ作りがデジタル化したことで、製造業はアイデアとパソコンさえあれば、誰でも自宅で始められるものとなった。無数の「メイカーズ(作り手)」が無料公開されたソフトを使ってデザインし、3D(3次元)プリンターで望みの個数だけ欲しいモノを作っている。出来上がった作品はオンラインで仲間とシェアし、多くの人と協力し合いながらより価値のあるものを作り上げていく。アイデアを製品にするのに大企業の手を借りる必要はない。

 これまで大量生産の基準に届かず市場に全く存在しなかった商品や、手作り品しかないために高価だったニッチ商品が手に入るようになり、「モノのロングテール」が実現する。デンマークのレゴが製造しない武器のブロックを作るブリックアームズ、数千個単位で販売される特殊な電子部品を製造するスパークファンなど、先行して成功を遂げた「メイカー」企業も紹介する。

 メイカームーブメントはかつてのパソコン革命と同じ意味を持つ。スティーブ・ジョブズ氏がパソコンを通して世界を変えたように、メイカーズが世界の社会経済を変えると予測する。


「人を動かす」枠組み

『コミュニケーション・リーダーシップ』
佐藤玖美著
日本経済新聞出版社
2310円
ISBN978-4-532-31696-9

 コミュニケーションは相手に行動を起こさせるための極めて効果的な武器である。自らの選択を、勇気を持って示すという意味において、コミュニケーションはまさにリーダーシップと言える。

 本書は人を動かすというゴールに向かって、より効果的なコミュニケーション戦略を組み立てるための思考の枠組みを紹介する。

 「売り上げを伸ばす」「シェアを拡大する」といった「ビジネス・ゴール(BG)」を達成するために、誰に何を理解してもらい、どんな行動を起こしてもらいたいかという目的を示すものが「コミュニケーション・ゴール(CG)」。コミュニケーション・ゴールを達成するために必要なのが「コミュニケーション戦略(CS)」で、ドライブ(拡大戦略)、差異化、エンハンス(付加価値戦略)、リポジション(位置替え戦略)の4つに分類できる。こうしたコミュニケーション戦略を遂行するために欠かせない仕掛けが、戦略の核、柱を示す「戦略的インペラティブ(SI)」。これらを策定することでフレームワークの全体像が出来上がると説明する。

 4分類したコミュニケーション戦略ごとに事例も掲載。ビジネス・ゴールに対してどのようなアプローチを取るべきかの参考になる。


日経ビジネス2012年12月10日号 68ページより目次