日経ビジネスでは2012年11月16日と17日の2日間、調査会社マクロミルの協力を得て携帯電話を保有する1000人に対して緊急アンケートを実施した。

 携帯電話を購入する際に何を重視するのか、どのようなツールでコミュニケーションを取っているのか、MNP(番号持ち運び制度)を利用した理由は何か。今、消費者が携帯電話、及び携帯電話事業者に対して何を求めているかを明らかにした。

 携帯電話を購入する際に最も重視する項目を尋ねたところ、年代を問わず高かったのは「本体価格」と「利用料金」。特に60代以上はこの2つを重視する人が唯一、5割を超えた。

 逆に、年代別で顕著に傾向が表れたのは「本体の色、デザイン」「本体のブランド」「本体のメーカー」の項目だ。

 29歳以下ではこの3つの項目を重視すると答えた割合が全体の26.5%と最も多く、30代(18.5%)、40代(17.5%)、50代(15.0%)、60代(6.5%)と年代が上がるごとに重視する割合が減る。若い世代の方が端末そのものの魅力を重視する傾向が強いと言えそうだ。

 一方、最も利用するコミュニケーションツールを聞いたところ、興味深い結果が得られた。29歳以下の世代で携帯電話の通話機能を利用しているのは14.5%。60代以上の世代の48%と比べると、3分の1以下だ。破竹の勢いで伸びているLINEについても年代別で顕著な利用率の違いが見られた。29歳以下では18.0%が利用しているが、年代が上がるごとに利用率は下がる。世代別で明らかに利用するコミュニケーションツールが異なっている。

 過去、MNPを利用して契約する携帯電話事業者を変更したことのある人に理由を聞くと、「欲しい端末がなかったから」という回答が29.8%と最も多かった。

 iPhoneをはじめとしたスマートフォンが普及する中で、携帯電話事業者の置かれる立場は一変したと言っていい。

 「携帯キャリアからどんな端末が出るのか」をワクワクして待っていた多くの人たちは、いつしか「iPhoneやGALAXYがどこの携帯電話事業者から出るのか」を話題にするようになった。相対的に携帯電話事業者のブランドを重視する人たちは減り、端末そのものの魅力に興味が移り変わってしまった。

 こうした利用者の関心の変化に対し、携帯電話事業者はどう分析し、どう対策を打つのか。各社が立てる戦略の違いが今後の明暗を分ける。

調査概要
調査名●携帯電話に関するアンケート 調査の方法●ウェブ調査(インターネット調査) 調査対象●マクロミルが保有する調査モニターに調査回答依頼メールを配信し、ウェブサイト上で実施した 調査期間●2012年11月16~17日 有効回答者数●1000人 回答者の年齢・構成●「29歳以下」「30代」「40代」「50代」「60代以上」の5世代で男女がそれぞれ100人になるようサンプルを設定した 調査機関●マクロミル 調査主体●日経ビジネス

日経ビジネス2012年12月3日号 42~43ページより

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