注:文教堂書店カレッタ汐留店のビジネス書の販売上位。集計期間は11月4~10日。価格は税込み

 当店は広告代理店最大手、電通の本社ビル地下1階にあります。広告・メディア関係のお客様が多く、ビジネス書ランキングにも関連する本が登場します。当店のランキングを眺めると、広告ビジネスの今が分かるでしょう。

 従来の広告はマスメディアと密接に関わっていました。ですが現在はフェイスブックをはじめとしたSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で発信される膨大な情報が影響力を持っています。この情報の山を、どうやって宝の山に変えていくかが課題です。

ソフトバンク クリエイティブ
1680円
ISBN978-4-7973-7102-4

 3位の『ビッグデータ時代の新マーケティング思考』はビッグデータをビジネスに活用する専門的な技術について分析しつつ、その特徴について指摘しています。それは「人間の頭脳で想像できることをはるかに超えた『消費者の行動と行動の相関』を発見」できるものであり、ここに新たなビジネスチャンスがあると指摘しています。

 一方、2位の『BEソーシャル!』の著者は、ソーシャルメディア時代における企業のあり方について論じています。企業はソーシャルメディアを利用しようとするのではなく、それに溶け込み自らを透明化することで、人々に「共感」される存在になるべきだと、多くの事例を基に語ります。

 こうしたランキング上位の本を見ると、広告業はソリューションビジネスに限りなく近づいていくようにも思われます。ソーシャルメディアに広告がビジネスとしてどう介在できるのか、関係者は模索しているのでしょう。

 新しいメディアの登場は、ビジネスにも政治にも変化を促します。しかし、時代はいつも重層的に変わっていくもの。その好例を示しているのが、10位にランクインした『戦略おべっか』です。

 広告ビジネスの第一線で活躍する営業マンが持つ36の小技を、独特のイラストとともに面白おかしく紹介しています。時代の表層ではテクノロジーがビジネスを牽引していますが、その基本はフェイス・ツー・フェイスなのだということを、本書は「おべっか」という言葉を使いながら、実は真面目に語っています。

(聞き手は 飯山 辰之介)

日経ビジネス2012年12月3日号 64ページより目次