皆さんの物語や苦闘とともに私はホワイトハウスに戻る。やるべき仕事、待ち受ける未来に対して、今まで以上に決心を固め、自分を鼓舞して――。
11月7日未明、再選を果たした米大統領、バラク・オバマは勝利宣言でこう述べた。激戦の末、共和党候補のミット・ロムニーを振り切った選挙結果について、「予想以上の大差」という人もいれば「接戦だった」という人もいる。はっきりしているのは、全米が“Yes we can”を連呼した4年前の熱狂はもうすっかり冷めているということだ。
圧勝だった前回からがらりと風景を変えた今回の大統領選。「この4年間は何だったのか」「なぜ自分の生活は良くならなかったのか」。そう思いながら投票所に向かった人も多かったことを物語る。理由ははっきりしている。リーマンショックを機に大不況に陥った米国の救世主として、託された役割を果たせなかったからだ。
オバマが言い続けてきたように、米経済そのものは改善が続いている。ただ、国民が切望している“Job(仕事)”はまだ足りない。米国の次世代を創るイノベーションも生み出さねばならない。沈み行く中間層、広がる格差、先の見えない若者…。オバマが次の4年で挑戦しなければならない課題は山積している。
「希望の再生」に挑む米国

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