2012年11月12日号
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特集 ニッポンの国境
ニッポンの国境
尖閣諸島を巡る問題が、日本企業の「今」のビジネスに甚大な影響を与えている。しかし、この影響は今だけにとどまらない。「島」の問題は、日本経済の「将来」の成長をも危険にさらす。なぜなら島は、「海」でもあるからだ。海は資源の宝庫だ。
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特集 ニッポンの国境
「海」を知る5つのキーワード
国連海洋法条約121条1項は、「島」をこう定義している。(1)自然に形成された陸地(2)水に囲まれている(3)高潮時にも水面の上にある──。一方、同3項は「岩」について言及。
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特集 ニッポンの国境
中国がにらむのは米国
国交正常化40周年という節目の年に、日中関係はかつてないほど悪化した。米国に頼らざるを得ない日本と、米国の干渉を嫌う中国の相互不信は根深い。「日中冷戦」時代の幕開けは、日本企業にアジア戦略の見直しを迫る。
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特集 ニッポンの国境
海洋保護区にして中国を封じ込めろ
領土問題の解決は難しいが、武力衝突は避けなければならない。この二律背反の連立方程式を解く方法はあるのか。日本や中国の海洋政策に精通する気鋭の学者に聞いた。
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特集 ニッポンの国境
新政権もリセット困難
韓国の李明博大統領が8月、竹島に上陸。日韓関係は一気に冷え込んだ。なぜ韓国は竹島にこだわるのか。事は日韓にとどまらない。米国、中国を巻き込んだ動きが続いている。
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特集 ニッポンの国境
忍び寄る韓国企業
日本の北の端、北方領土は今、どんな状況にあるのか。記者が択捉島を訪れ、自分の目と足で確かめた。最新の状況を紹介しつつ、北方領土問題の難しさを考える。
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特集 ニッポンの国境
あの日、ソ連兵がやってきた
私は1938年に択捉島で生まれ、小学1年生で終戦を迎えました。終戦後の8月28日、港にソ連の軍艦が入り、ソ連兵がやってきた時のことをよく覚えています。
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特集 ニッポンの国境
鈴木宗男・イシャエフ会談「北方領土は動かせる」
鈴木宗男氏とヴィクトル・イシャエフ氏が7月、ハバロフスクで会談した。鈴木氏は長年、北方領土問題に取り組んできた。イシャエフ氏は、極東連邦管区大統領全権代表。極東発展相も兼務する。
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特集 ニッポンの国境
最西端の島に自衛隊
日本最西端の与那国島が、自衛隊誘致で揺れている。背景にあるのは過疎化と尖閣問題だ。「国際交流」の道を断たれた島は「自衛隊経済」への道を歩み始めた。
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特集 ニッポンの国境
真円を描くEEZの威力
東京都小笠原村、南鳥島――。東京の南東1862kmに浮かぶ東端の国境である。北緯は24度で台湾とほぼ同じ。島の形は正三角形で、最も高いところでも海抜9mしかない。1860年に、この島に立ち寄った米国人宣教師が「マーカス島」と名づけた。
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特集 ニッポンの国境
300億円の「鉄壁」で守る
「〒100-2100東京都小笠原村沖ノ鳥島1番地」。これが、日本の最南端、沖ノ鳥島の住所である。しかし、東京から1740km離れ、ハワイのホノルルよりも南に位置する。年平均気温は27度。日本で唯一、熱帯性気候にあり、美しい珊瑚礁が広がる。ただし、現在、渡航手段はなく、人は住んでいない。
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特集 ニッポンの国境
「強い日本」がすべての解
長崎県・五島列島の南西60kmのところに浮かぶ「肥前鳥島」。北岩、中岩、南岩の3つの無人島で構成されている「国境の島」だ。これまで、熱心な釣り客を除いて、肥前鳥島に目を向ける人は少なかった。だが、竹島の領有権を巡る日韓の紛争が激しさを増す中で、日本側の「切り札」としてにわかに注目を集めている。
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特集 それでも中国は大事ですか
反日と向き合う企業
売れ行きが急減したトヨタの販売店。日本車離れは静かに深く進行している。デモの被害を受けたスーパーは再開し始めた。だが客数回復の見通しは立たない。反日だけではない。景気減速やライバルの追い上げなど「三重苦」が日本企業を襲う。
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特集 それでも中国は大事ですか
高まる中国リスク、撤退時にも要注意
尖閣諸島の問題を受け、日本企業が直面する中国リスクは深刻さを増した。ただ、市場としての魅力はなお大きく、中国にとどまる選択をする企業は多数派だ。一方、人件費や不動産コストの上昇に加え、日本製品の買い控えが最後の打撃となって撤退を検討する企業も増えるだろう。
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特集 それでも中国は大事ですか
中国、高成長への復帰は困難
中国の景気が減速している理由は1つではない。2008年末に政府が発表した景気刺激策の効果一巡といった循環要因のほか、欧州債務危機などの外部要因、潜在成長率の低下という構造要因が絡まり合う。それぞれを分けて分析しなければならない。
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特集 それでも中国は大事ですか
出店余地、まだ大きい
反日の広がりや景気減速が、日本企業に中国戦略の見直しを迫っている。厳しい状況が長期化する見通しの中、経営者は今後の事業展開をどう考えているのか。中国で1000店強を展開するファミリーマートの上田準二社長に聞いた。
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特集 それでも中国は大事ですか
日本製品の不買、依然6割
日本企業に対する逆風はすさまじい。中国で事業をする日系企業にとって、これがいつまで続くのかが最大の関心事だろう。本誌では中国全土に広がった日本製品の不買運動が一般の消費者の行動にどのような影響を与えているのかを調査した。
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特集 それでも中国は大事ですか
対日包囲網で持久戦へ
外交や安全保障の文脈で日本から中国を見る場合、「対中」という1対1の関係で考えがちだ。ところが中国から見た景色は違う。日本の後ろに米国が控えており、東南アジア諸国連合(ASEAN)やインドなども含めた大きな枠組みの1ピースにすぎない。
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特集 それでも中国は大事ですか
中国の「反日」は加速する
中国共産党に太いパイプを持ち、徹底した分析に基づく読みに定評がある。今春には重慶市党委書記だった薄煕来の失脚を予測、見事に的中させた。中国の政治、社会分析の第一人者は新体制をどう見ているのだろうか。