長らく続いた社会主義政権が1988年に民主化要求デモによって崩壊。国軍がデモを鎮圧するとともに政権も掌握した。90年の総選挙でアウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝したが軍事政権は権限を移譲せず、スー・チー氏を自宅軟禁措置に科した。欧米各国がビルマ(現ミャンマー)に対する経済制裁を実行した結果、深刻な経済低迷に陥った。

 2010年の総選挙を経て2011年3月に軍事政権を解除し、現在のテイン・セイン文民政権に移行した。米国などが条件付きで経済制裁を解除したことで、外国資本の流入が始まった。中国とインドという2大国に陸続きで接している地政学的なメリットはあるが、インフラ整備が大幅に遅れており前途は多難。最後発国であるミャンマーの底上げは東南アジア諸国連合(ASEAN)全体の課題だ。

(写真:Getty Images)
日経ビジネス2012年10月22日号 94~95ページより目次