出揃った100個の商品とサービスを眺めて感じたのは、「海外ロングセラー」が非常に多いことです。日本発の商品がこれだけ長く世界中で愛されていることを、誇らしく思いました。

 特に印象に残ったのはキッコーマンのしょうゆ。恥ずかしながら「日本食ブームで売れているのだろう」と安易に考えていただけに、同社の徹底した現地化の歴史には驚かされました。日本食ブームのはるか昔に海を渡り、黒い液体を売り歩く日本人の姿は、欧米人の目には奇異に映ったはずです。

 何十年経っても色あせないロングセラーに対して、今の日本勢はどことなく元気がない気がします。電機の凋落などを目の当たりにして、萎縮しているのかもしれません。早稲田大学大学院商学研究科の長沢伸也教授は、「今の日本企業は自分たちの実力を過小評価しすぎ。ポテンシャルは十分あるのにもったいない」と指摘しています。

 特集の最後のパートでは、今後の期待を込めて、日本の未来を担ってくれそうな商品を取り上げました。海外展開の“新顔”たちが、どこまで世界で通用するのか。数十年後の日経ビジネス「世界に誇るニッポンの商品100」で、再び登場してくれるのを祈念したいと思います。

(佐藤 央明)

日経ビジネス2012年10月15日号 120ページより目次