フランスによる植民地支配と戦争を乗り越え、ベトナムが国造りを本格化できたのは1980年代に入ってから。社会主義を堅持しつつも、外国資本を取り込み経済成長を目指すやり方は中国をお手本としてきた。95年に米国と国交正常化を果たし、東南アジア諸国連合(ASEAN)にも加盟。2000年から10年間は経済成長率が平均で7.3%に達し、かつての貧困国は中進国の仲間入りを果たした。

 強みは共産党一党支配ゆえの政治の安定。だが一方で、貧富の格差が拡大して不満が渦巻く。慢性的な貿易赤字と未熟な投資環境が原因で、約9000万人の人口を抱える潜在力を生かし切れていない。最大の援助国である日本に対する期待は大きく、2国間関係は良好だ。

(写真:ロイター/アフロ)
日経ビジネス2012年10月8日号 104~105ページより目次