特集「ニッポン改造計画100」でたくさんの方々に取材をお願いしました。中でも強く印象に残ったのが、ほぼ3年ぶりにお会いした自称・伝説のディーラー、藤巻健史さんのお話でした。今回も「円安で日本経済は再生する」というご持論を拝聴するつもりが、藤巻理論は進化を遂げていました。

 日本が長年貯め込んだ経常黒字が海外に流出すれば円安になるはずなのに資金は国内にとどまって円高になるばかりか、国債に集中した結果、政治家のバラマキ政策を誘発し、国債残高が不可逆的なほど膨らんでしまった。

 問題はここから先。近著『日本大沈没』でも詳述されていますが、もはや日本の財政破綻は回避のしようもなく、アジア通貨危機後の韓国のように国際通貨基金(IMF)の管理下に入り、ハイパーインフレと円暴落に陥るしかないという新展開を迎えていたのです。

 IMFはスペインやイタリアが担ぎ込まれただけでも資金が足りないと悲鳴を上げています。いわんや日本をや。今月、IMFは世銀とともに東京で総会を開きます。第2位の資金拠出国・日本が支援を受けるというパラドックスに陥る前に、他人には迷惑をかけたくないという日本人のやせ我慢で苦境を乗り切れないでしょうか。

(市村 孝二巳)

日経ビジネス2012年10月1日号 132ページより目次