メーカー直販を開始した小林製薬は通信販売専用のブランドを立ち上げた

 小林製薬が9月1日、第3類医薬品の通信販売を始めた。新日本製薬やDHCが既に通販を手がけるが、医薬品大手の参入は初めてとなる。

 ビタミン剤などの第3類医薬品は、薬事法改正以降、唯一通販が認められている。同社は医薬品卸やドラッグストアなどの既存の販売チャネルに配慮して、通販専用のブランドを用意した。

 法的には問題のない直販ではあるが、眉をひそめる関係者は多い。あるOTC医薬品(一般用医薬品)メーカーの担当者は「改正薬事法で1類、2類、3類に分けたのはリスクに応じてきちんと販売していくため。メーカー直販のための改正ではないはず」と憤る。

 1類、2類の通販全面解禁に関する議論が過熱する中で直販を開始した小林製薬。同社は「通販全面解禁に対しては賛成の立場ではない」としているが、「『メーカーでさえ直販するのだから』とネット推進派には追い風になるだろう」と業界関係者は見る。薬のネット販売拡大に向け、“大きな一歩”となるか。

(佐藤 央明)

日経ビジネス2012年9月10日号 22ページより目次

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