商品パッケージの表示に比べて7割近くも暗い――。今年6月、消費者庁はエディオンやコーナン商事など12社のLED販売事業者に対し、景品表示法に基づく措置命令を出し、各社に消費者への周知徹底と、再発防止策を求めた。各社が「白熱電球60ワット形相当」などとうたって販売していたLED電球の明るさが、実際には大幅に表示を下回ったことが理由だ。

 問題の原因は、白熱電球の光がほぼ全方向に広がるのに対し、多くのLED電球は下方向に光が偏りやすいことにある。指摘された製品は、あらゆる方位への明るさを示す指標である「全光束」の値が、求められる基準より13~69%も低かった。ダウンライトやスポットライトとして使用する場合には問題ないが、空間全体を照らすような照明器具に取りつけた場合には、性能が不足する。

 12社の大半は、中国など海外にLED電球の生産を委託する新規参入組の企業。異業種からLED照明事業への参入が増えたことによる影響が、一般消費者にも波紋を広げ始めた格好だ。

 明るさが不足していた理由は各社各様と言える。中古車輸出が主力のアガスタ(東京都渋谷区)は、「(問題の)製品を発注した2年前の段階では、光の広がりを技術的に解決することが難しかった」と説明する。「業界団体に所属していなかったので、表示方法の規定について情報を入手するのが遅れた」(コーナン商事)との意見もある。

 価格下落が進むLED電球では、価格競争力の高い新興勢力が一定のシェアを握りつつある。「安かろう悪かろうでは消費者に迷惑がかかる。通達が出てよかった」という大手照明メーカーの声には、これから競争が優位に進められるのではないか、という本音も見え隠れする。

消費者庁は景品表示法違反で、12社の販売事業者に措置命令を出した
日経ビジネス2012年8月27日号 47ページより

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