日本のモノ作りを下支えする中小企業が青息吐息だ。円高で倒産続出、電機産業は総崩れ、金融支援策も期限切れが迫る。だが全国を見渡せば、苦境にめげない町工場が確かに存在する。ある企業は「下請け」の立場から脱却しようと、自社開発に突き進む。自動化でアジアの人件費に勝る低コストを実現した企業も。「モノ作り」の末端の担い手が、逆境で繰り出す経営革新のすごみ。それは大手メーカーを巻き込み、新たな“生態系”を創出する。モノ作りなくして、日本なし。日本再生の道は中小製造業から始まる。

(吉野 次郎、張 勇祥、広岡 延隆)
(写真:嵐 大祐/シャクティ、的野 弘路、阿部 勝弥、早川 俊昭、行友 重治、増井 友和)

CONTENTS

東京都大田区ルポ
反転攻勢の狼煙

海外進出企業の証言
空洞化は幻想だった

国内にも活路あり
「脱・下請け」強み磨く

日本の生命線を死守
だから「作り」続ける

製造業を引きつける力
捲土重来期す米国

日経ビジネス2012年8月20日号 22~23ページより目次