3大メガバンクがネット銀行に完敗──。アフターサービスランキング初となる銀行部門の調査で、こんな結果が出た。企業の再編・統合が加速する一方で、消費者の要求は高度化、個別化する。もはや旧態依然の取り組みでは、顧客の満足度を高めることはできない。これまで低位に甘んじていた企業の躍進が目立ったのも今年の特徴だ。共通しているのは、一朝一夕にCS(顧客満足)を勝ち取ったわけではないこと。「金メダル」は、厳しい声をバネに不断の改善を続けた企業にのみ与えられる。

(戸川 尚樹、佐藤 央明、広岡 延隆、馬場 燃、田中 深一郎)
(写真:GettyImages、デザイン:横野 保)


(注:本文中でランキング登場企業を詳報した部門のみ掲載。その他の分野は本文を参照)
【アフターサービス満足度調査について】
2012年4月24日~5月28日の間、日経BPコンサルティングが保有するインターネット調査システム「AIDA」を使用して実施した。日経BP社と日経BPコンサルティングが保有する調査モニター約20万人に対し、月刊のメールマガジン「NBPC調査モニター通信」及び電子メールでアンケートを告知し、1万6809人から有効回答を得た。
回答者の平均年齢は49.2歳。男性77.0%、女性22.2%(不明0.8%)。主な職種は、技術職・専門職35.2%、事務職23.3%、主婦9.5%、経営者・役員8.2%、営業職7.3%。主な居住地域は、関東50.8%、近畿18.2%、中部11.6%。
満足度指数は、各企業ごとの製品や事業のアフターサービス経験者に、アフターサービスの評価を「満足」「まあ満足」「どちらでもない」「やや不満」「不満」の選択肢から1つ選んでもらい、それぞれの回答者数に順に100、50、0、▲50、▲100を掛けた数値を合計し、その企業のアフターサービス経験者数(無回答は除く)で割ったもの。小数点第2位を四捨五入。▲はマイナス値を示す。アフターサービス経験者には、「問い合わせの分かりやすさ」「担当者の応対の丁寧さ」「対応等に要した時間」「解決策等の適切さ」「かかった料金や費用」という5つの項目別評価も尋ねている。
なお、回答が30人以上の企業を満足度指数ランキングの対象とした。回答者数が30人に満たない企業はランキング対象から除外し、一部を参考値として掲載した。調査項目によっては、社名よりブランド名を優先させた場合もある。

CONTENTS

銀行部門ランキング
ネット銀、メガに圧勝

合理化優先の落とし穴
再編後に気をつけよ

下位企業が改革で躍進
CSに「即効薬」なし

編集長インタビュー
石井 茂 氏[ソニー銀行社長]
顧客は「神様」にはあらず

日経ビジネス2012年7月30日号 24~25ページより目次