エコカー補助金の終了で、軽自動車を中心に自動車業界は一転して消耗戦に陥る。各社は新車投入などで補助金効果をフル活用しただけに、反動減も大きそうだ。生産、消費の両面で経済を冷やし、日本が再びマイナス成長に沈む可能性すらある。

 軽自動車業界にとって、今年はことのほか厳しい夏となりそうだ。

 今年前半の好調な国内新車販売を支えたエコカー補助金が7月中にも全額消化される見通しとなり、特に軽自動車がその反動による販売減に見舞われるのではとの見方が出ている。ある自動車業界の担当アナリストは「急激に縮む需要を巡って、メーカー間の乱売合戦にもなり得る」と声を潜める。

 周知の通り、エコカー補助金は一定の環境基準を満たした新車の購入者に対し、登録車で10万円、軽自動車で7万円を補助する制度。昨年12月の新車登録分から適用され、3000億円の予算枠は底が見えてきた。ディーラー各社は早くも「エコカー補助金、いよいよ終了」などと銘打った広告を出し、集客のラストスパートに入っている。

 今回のエコカー補助金は、リーマンショック後の自動車需要の急減を押し戻した2009年4月~2010年9月に続く第2弾となる。超円高による国内自動車産業の空洞化を防ぐために内需を創出しようと、政府は補助金復活を決めた。前回との違いは大きく2つ。約6000億円だった予算がほぼ半減したことと、軽自動車の補助金を5万円から7万円に引き上げたことだ。

 補助金による販売増は需要の先食いにすぎない。先食いした需要が大きいほど、その後の谷は深い。今回は補助金の予算が前回の半分だから、素直に考えると反動は小さくなる。だが、そう単純でもなさそうだ。下のグラフは新車販売台数の前年同月比増減率だが、東日本大震災(2011年3月)の影響を考慮して補助金開始から今年2月までの3カ月間の対前年の伸びを見ても、軽自動車は前回開始時を上回り、HV(ハイブリッド車)はやや下回るが、伸び率そのものは大きい。

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