イオンが英テスコの日本法人テスコジャパンの株式50%を、1円で取得する。当初テスコ側が提示した売却額は200億円と言われていたが、結局、最高の条件で首都圏を中心とした117店舗を手にすることになる。

テスコの店舗は、食品スーパー「つるかめ」「テスコ」のほか、「テスコエクスプレス」など小型店も多い(写真:古立 康三)

 イオンは2005年、仏カルフールが日本から撤退する際にも8店舗を継承。「カルフールの店舗を再生させたことも、テスコ側が当社を選ぶ際の判断材料になったのではないか」(イオン幹部)。また昨年、米ウォルマート・ストアーズが興味を示していたとされる中四国地盤のマルナカグループも、最終的にはイオンが買収している。

 世界屈指の小売りが動きを見せるたびに、肥大を続けるイオン。その構図は、日本の小売市場の特異さと、適応の難しさを如実に物語っている。

(佐藤 央明)

日経ビジネス2012年7月2日号 22ページより目次

この記事はシリーズ「時事深層(2012年7月2日号)」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。