各界をリードする賢人たちの警鐘に耳を傾ける。雑誌『日経ビジネス』の人気連載。
シリーズ
賢人の警鐘

358回
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「コロナワクチンは投資の費用対効果が高い。日本も世界のリード役を」
リスクと比べて大きく確実なリターンを把握できる状況がかなり珍しいことは、読者もご存じだろう。政府・民間企業で働くエコノミストの間では、新しい投資計画の費用対効果を分析した際、コストはある程度分かっても、利益では不確実な見…
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「夢は義に基づくもの。『利』は義の後から付いてくる」
日経ビジネスの2021年1月11日号では「『光』『挑』『復』……経営者・識者が選ぶ2021年の一文字」という記事が掲載された。私もこの記事のために、21年への期待・展望を込めた一文字を考えた。
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「病床不足は、司令塔の欠如が原因。 縦割りを打破して対策を」
新型コロナウイルス感染拡大が始まって1年が経ち、従来隠れていた日本の構造問題の数々が我々の眼前に明らかになった。その典型が、感染防止や医療の現場に最適な資源配分をする司令塔機能の欠如、ではないだろうか。
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「リーダーたちは、国民が納得する脱炭素への道筋示せ」
米国のバイデン新大統領は就任式の当日、気候温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に復帰するための文書など15項目の大統領令に署名した。温暖化ガスの排出削減に向け、米国も世界も再び本気で動き出そうとしている。
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「高齢者雇用は体力、能力別対応が鍵。学び継続が幸せもたらす」
今年4月から、希望する労働者に対する70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務となる法改正が施行される。これにより、60歳定年、65歳を上限とする企業の再雇用制度も変わりそうだ。定年引き上げなど、制度改正に着手する企業の…
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「事実と向き合えぬ日本人。失敗は血肉にせよ。『本質』を常に問え」
今回を最後に本コラムの執筆を終える。7年間、思いつくままに様々なことを語ってきたが、お付き合いいただいた読者の方々にこの場を借りて御礼申し上げたい。
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ミスミ三枝氏「再生の期限は2年。活動を一気呵成に引き上げろ」
業績不振が続く沈滞会社では「戦略のハズレ」と「組織のビョウキ」が同時に進んでいる。前回は、そんな状況を十把一絡げで改革する手法である「スモール・イズ・ビューティフル」について書き、コマツの創業事業の再生を描いた拙著『V字…
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「ニセのDXはいらない。正しいことは何か、本質に戻ろう」
世の中ではかつてない勢いでDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されている。ただ、これで全てを解決できるかというとそうではない。例えば、現物をしっかり見たり、最後にフェース・トゥ・フェースで確認したりするという点…
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小林 喜光「温暖化ガス削減。何とかなるという発想では絶対に何ともならない」
この1年、飛行機に一度も乗らなかった。コロナ禍の折、来春からの外国人新社長も結局、指名委員会メンバーによる「Zoom面談」で決めたので、わざわざ海外に足を運ぶ必要もなかった。苦境に立つエアライン各社、旅行各社に申し訳ない…
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イアン・ブレマー「バイデン新政権は、世界をまとめられるか。希望は災い後」
「私に投票しなかった人も含め、すべての米国民の大統領になりたい」。11月初旬、米大統領選後の勝利宣言でジョー・バイデン前副大統領は、こう断言した。これまでドナルド・トランプ大統領の分断をあおるような発言やツイートに悩まさ…
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「トップは懐深い『第一等』たれ。 無理なら部下を第一等に」
前回、私が尊敬してやまない陽明学者、山田方谷の名言「総じて善く天下の事を制する者は、事の外に立ちて、事の内に屈せず」を紹介した。今回は同じく方谷の「至誠惻怛(しせいそくだつ)」という言葉を紹介する。
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エモット氏「日本復活は、低賃金戦略の大転換からだ」
米工業史で有名な逸話がある。自動車会社を経営するヘンリー・フォードが1914年、自社工場の従業員がフォードの車を買えるよう、賃金を当時の平均の倍に上げたエピソードだ。これはやや正確性に欠けるようだ。フォードは確かに賃金を…
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「女性副大統領誕生へ。挑戦者に道を開く『職場のバイデン』増やせ」
世界が固唾をのんで見守る米国大統領選だったが、民主党のバイデン氏の当選が確実になった。共和党トランプ大統領は「絶対に諦めない」と、敗北をなかなか認めようとせず、選挙不正の訴えや投票の再集計の要求などで抵抗している。
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「80歳はあくまで通過点。新しい世界に適応続ける」
私事で恐縮だが、来月15日に80歳の誕生日を迎える。残り1カ月を切ったこともあり、友人や社内から「傘寿おめでとう」と祝福される機会も増えてきた。私自身、意識はしてこなかったが、健康な状態で80歳を迎えられそうなことを感謝…
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「会社も社会の一員。 事業を通じて、社会の役に立つことが不可欠」
新型コロナウイルスの感染拡大以降も、私どもの店舗には多くのお客様がご来店くださっている。2月から8月までの売り上げは前年比で2桁増が続く状況だったが、9月以降は少し落ち着き、徐々に元に戻ってきている。
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「後世に恥じぬ生き方か つれづれなるままに人生を振り返ろう」
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために、外出を控え、在宅勤務をするビジネスパーソンが増えている。これまでオフィスに出社して部下ににらみを利かせ、夜は会食で忙しい日々を過ごしていた管理職の中には、リモートワークで部下…
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「感染防止は大事だが、経済悪化の影響は深刻。バランスの取り方が重要」
新型コロナウイルスという、未知のウイルスとの戦いはなかなか終わりが見えない。経済活動の停滞が続く中、ダメージの実態も徐々に明らかになってきている。
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「温暖化が喫緊の課題。足並みそろえ、地球規模の対策実行を」
地球温暖化への対策がいよいよ待ったなしになってきた。日本では集中豪雨や大型台風などによる河川の氾濫が毎年のように発生し、米国ではハリケーンの激甚化や、山火事の長期化により数十万人が避難したと聞く。
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「不振事業の再生には『スモール』がふさわしい。対競合はスピードで勝て」
業績不振を長く続ける企業は、「戦略のハズレ」と同時に「組織のビョーキ」に侵されているのが常だ。だから、改革者は改革の武器として、戦略論だけでなく、有効な「組織論」を用意する必要があると前回書いた。
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「日本は環境後進国ではない。欧米の宣伝に負けるな」
昨年の9月、東レとユニクロは古いダウンを回収、製品にリサイクルする取り組みを発表した。ロンドンでの大規模展覧会「The Art and Science of LifeWear」で会見した時のことだ。
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従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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