各界をリードする賢人たちの警鐘に耳を傾ける。雑誌『日経ビジネス』の人気連載。
シリーズ
賢人の警鐘

446回
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日覺昭廣氏「品質不正、デフレ心理の裏に契約順守意識欠如。適切な価値の訴求を」
東レ製の一部の樹脂製品で、米国の第三者認証を不正に取得していたことが発覚。コンプライアンス(法令順守)徹底に向けた取り組みに手応えを感じ始めていただけに、非常にびっくりしたし、残念に思っている。
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柿木厚司氏「洋上風力発電はものづくり力を示す大好機。国内で供給網育成急げ」
ロシアによるウクライナ侵攻の影響で国際的にエネルギー供給が混乱している。ただ気候変動対策は地球規模の課題で、脱炭素に向けた大きな流れを止めてはならない。日本政府は2050年の温暖化ガス排出実質ゼロに向けたグリーン成長戦略…
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長谷川眞理子氏「女性だけでなく男性も。子供と接することで脳にスイッチが入る」
私事だが40年近く、ペットを飼っている。ペットを飼いだしたのは、東京大学のキャンパスに迷い込んだ子猫を拾ったのがきっかけだった。その次に飼ったのが同僚に譲ってもらった犬。当時、私は20年近く飼った猫を亡くして悲しみにくれ…
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大橋洋治氏「リーダーが目指すべきは、ぶれないビジョンの実現。変化への対応力も必要だ」
前回『大橋洋治氏「不退転の決意を抱けるか。リーダーは意見が異なる相手と徹底的な対話を」』は塩野七生さんの歴史巨編『ローマ人の物語』をトップのあるべき姿を考える組織論の指南書として紹介しながら、その中で塩野さんが示したリー…
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ミスミ三枝氏「日本復活のカギは『個人の突出』にあり」
日本人が世界のスポーツ界のトップレベルにまで勝ち上がり奮闘している姿を見ることが多くなった。サッカー、野球、ラグビー、テニス、スケート、体操、水泳、ゴルフ、卓球など、挙げたらきりがない。日本チームが強くなってきたのはなぜ…
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土屋哲雄ワークマン専務「会社はできたときから衰退が始まる。他の生態系を取り込み進化せよ」
会社というのは、できたときから衰退が始まっている。組織が変化しにくくなるからだ。これは組織を生態系になぞらえた「組織エコロジー論」で説明できる。世の中に多様な会社が存在しているのは、多様な会社が生まれて淘汰され、生き残っ…
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エモット氏「岸田政権の曖昧な政策では低賃金は変わらない」
外国から日本を見ると、過去13カ月間の「新しい資本主義」の必要性に関する岸田政権の話が非常に不可解だ。日本を観察する外国人は2つの異なるレベルで困惑する。コーポレートガバナンスに関心のない人々は戸惑っている。日本の資本主…
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村木厚子氏「子どもにお金をかけなかった日本、企業はフリーライダーになるな」
日本は先進国の中でも65歳以上人口の割合が高く、高齢化が進んだ国だ。平均寿命も長い。こうした課題が日本の社会保障制度の持続可能性に影響を与えている。
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ブレマー氏「兵器で注目欲する金氏。退席事件で力示した習氏。日本周辺で混乱は続く」
日本の周辺で地政学的に危惧すべき出来事が頻繁に起きている。まず挙げられるのが北朝鮮によるミサイル発射だ。11月2日だけで少なくとも23のミサイルが発射され、1945年の南北分断以降、初となる弾道ミサイルの韓国沖着弾もあっ…
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川本裕子氏「運営変える男性の育休。労働力の損失ではなく、 未知への挑戦とし拡大を」
育児休業法は1992年に施行された。半年~1年の育休を多くの女性が利用するようになり、出産を契機にした退社勧奨などは減った。それでも育休後はマミートラック(責任の軽い仕事の担当になるなど昇進・昇格コースから遠くなる状況)…
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長谷川眞理子氏「顔色うかがい、空気読む。 議論を尽くさぬ日本は、 民主主義でなく合議主義」
安倍晋三元首相の国葬は、政府からの説明が不足したまま開催に至った。政府内でも十分な議論がされたとは言い難い。なぜ、日本では議論が尽くされないのか。今回は、大きな社会を動かしていく際に必要な議論のあり方について考えたい。
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JFE柿木氏「海外投資家と面談、薄まった日本への期待感。日本は挑戦心取り戻せ」
新型コロナウイルス禍のために海外投資家への訪問を過去2年間見送っていたが、2022年は3年ぶりに実施することができた。9月には英国ロンドンの金融街を訪れて、現地の機関投資家と議論を重ねた。
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大橋洋治氏「不退転の決意を抱けるか。リーダーは意見が異なる相手と徹底的な対話を」
読書が私の幼い頃からの趣味だ。小説から経営書まで、ジャンルは問わない。多い時は(「積ん読」を含め)年間300冊は読んでいた。中でも青年期から心引かれたのが、欧州各地を征服したナポレオンや古代ギリシャのアレキサンダー大王な…
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ミスミグループ三枝氏「日本復活へ、強い経営者の育成を」
自分の経営人生を振り返ってみると、今から半世紀前、転職は社会の外れ者の行為だと思われていた時代に、私は将来、経営者になりたいという願望を抱き、20代半ばで財閥系優良企業を飛び出した。そこからは一匹狼の人生だった。20代で…
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土屋哲雄ワークマン専務「経営しない経営者に。成果主義は脅しと紙一重。社員を育て抜てきせよ」
経営者にとって本当に重要なのは「経営しないこと」ではないか──。そう考えるようになった。経営者なのに、経営しない。一見矛盾した表現かもしれないが、経営しないとは社員に権限を委譲し、任せることだ。
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ビル・エモット氏「ウクライナ戦争は長期的に続く恐れ、2年は市場をゆがめる」
この3年間で世界が直面してきた非常に衝撃的な状況において、企業にとって最も難しい決断の一つは、この現象が一時的か永続的なのかを考えることだろう。ロシアの侵攻によって2月24日に始まったウクライナ戦争は、エネルギーの市場と…
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村木厚子氏「大きすぎる格差は経済成長を妨げる。弱者への支援が社会全体を強くする」
これまで必ずしも十分に社会参加できる環境になかった境遇の人たちが、積極的に社会とかかわり、貢献できる、全員参加型の「共生社会」の実現が叫ばれている。社会的に弱い立場になりやすい人たちへの配慮はもちろんのこと、仕事や家庭で…
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ブレマー氏「中国に好機を与えたペロシ下院議長の台湾訪問。米中関係は中国優勢へ」
ペロシ下院議長の台湾訪問で米中のパワーバランスが中国優勢に傾いた。訪問で両国間の緊張が一気に高まったが、単なる高まりではなく、「中国側の非常に計算された緊張の高まり」である点を指摘したい。
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川本裕子氏「ウェルビーイングとエンゲージメントが高める働き手の意欲と創造性」
あらゆる組織は人が担っている。働く個人の意欲、創造性、イニシアチブといったもので組織の働きは大きく左右される。最近の企業経営で、従業員のWell-being(ウェルビーイング、心身の健康や幸福)やエンゲージメント(組織目…
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中神康議氏「深刻な社会課題をユニークな方法で解決する。それがパーパス経営の神髄」
自社の存在意義や社会的価値を「パーパス」として発信する企業が増えている。ただ、各企業のパーパスを見渡してみると、表現が一般的すぎてその企業ならではの特徴がないものも多い気がする。
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