クラレが安価な天然ガスを求めて米国に工場を新設。東レ、クレハなど商機を求める化学メーカーは引きも切らない。一方、企業立地の視点では日本にとって厳しい試練が続く。

 クラレは近く、米テキサス州ヒューストン近郊で機能性樹脂「ポバール」の新工場の建設に着手する。投資額は200億円で、2014年9月に完成を予定する。生産能力は年4万トンで、クラレ全体では2割弱の増産になる。

 ポバールは紙や繊維の加工剤、接着剤などに使われ、クラレの世界シェアは35%(中国を除く)と首位に立つ。米国生産に踏み切る理由について、村上敬司取締役は「シェールガスの活用でコストを下げられる」と説明する。

 シェールガスは頁岩(けつがん)層から採取される天然ガス。採掘に至る手法が異なるため他のガスと区別されるが、生産されたガスの成分そのものが大きく違うわけではない。

クラレはポバールの米国生産に踏み切る(写真はドイツ現地法人)

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