希望退職に応募すれば、企業によっては数千万円の退職金が手に入る。だが、大企業を退職することで抱え込むリスクは、決して小さくない。転職から生涯年収、年金への影響まで、早期退職の損得勘定を徹底分析する。


 大手総合商社に入社し財務部門で働いてきたB氏(58歳)が、希望退職に応募し会社を辞めたのは1999年、46歳の時だった。一流商社の経理マンという経歴に自信を持っていたうえ、40代半ばだったこともあり、転職先には事欠かないと考えていた。 (続きはこちら



 生涯年収の損得勘定も多くの中高年にとって厳しい結論になる。
 雇用・賃金アナリストの鍋田周一・PANフィールド・リサーチ所長の試算はこうだ。まず、平均的な大学卒・男性が、同じ会社で一生働き続けた場合の生涯賃金は退職金を含め2億7400万円。50歳で辞めると、規定の退職金とは別に月収の24カ月分の割増加算を得るとしても、累積報酬は1億8600万円で、その差額は8800万円となる。(続きはこちら



 早期退職者の中には、転職するのでなく、退職金や割増金を元手に起業しようと考える人もいるだろう。だが、早期退職後の自営・独立も、成功が約束されているわけではない。(続きはこちら



 「相当の割増金が出たのですぐに働く必要はないと思い、行政書士の勉強などをしていた。でも次第に不安になり、結局、1年後に再就職した」。2009年に大手ゼネコンを早期退職した福原拓志氏(43歳)はこう話す。
 パソナキャリアの再就職支援サービスを活用し約15社に履歴書を送り、ワインの輸入卸に入社。(続きはこちら



 早期退職を決断した者が考えるべきことは、次の職をどうするかだけではない。それが老後に与える影響も入念に検討する必要がある。
 早期退職後、現在勤める会社と同水準の待遇の企業へすぐ転職する場合は、将来もらえる公的年金の額は極端には変化しない。(続きはこちら

日経ビジネス2012年6月18日号 32ページより

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