ソニーの「HMZ-T1」。価格は約6万円。販売対象は重量などの関係から高校生以上だ

 ソニーは、3D表示に対応した有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)パネル搭載のヘッドマウントディスプレー「HMZ-T1」の注文受け付けを一時停止することを22日に発表した。注文受け付けを停止したのは、「お客様から予想を上回る注文があり、生産が追いつかないため」(広報)だ。

 HMZ-T1は昨年11月の発売。想定していた販売台数は半年で数万台だったが、それよりも速いペースで受注が入り、今年2月には供給不足が深刻化。顧客への納品が滞っていた。現在生産拠点(千葉県木更津市)の増産体制を急ピッチで整えており、注文受け付けを6カ月以内に再開することを目指す。

 HMZ-T1の売りは、装着すると映画館の中央の席で大画面スクリーンを視聴しているような感覚を楽しめる点だ。昨今、ヒット商品不在と指摘される同社。平井一夫社長が「ソニーらしい製品」と位置づけるこの商品が久々にヒットしたことで、社内からはうれしい悲鳴が上がる。これが復活の狼煙となるか。

(戸川 尚樹)

日経ビジネス2012年6月4日号 22ページより目次

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