銀行の業績が好調だ。前期の最終利益は3メガバンクで2兆円に達した。昨夏に起きた欧州危機もどこ吹く風。リーマンショック前の最高益に次ぐ水準である。資源高で潤った三菱商事や、スマホが売れたNTTドコモを傘下に持つNTTもかなわない。数字のうえでは上場企業で最も稼ぐ“最強産業”。だが、利益は国債の売買益頼みが実像だ。個人や企業の満足度は低く、日本経済や震災復興を支える、銀行本来の役割が問われている。

(馬場 燃、蛯谷 敏、編集委員 安藤 毅)
(写真:読売新聞/アフロ、PANA通信社、時事通信)

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銀行儲けすぎの実像
日本の“最強産業”は国債頼み

震災が問う存在意義
銀行は貸すのが仕事

日経ビジネス2012年5月28日号 58~59ページより目次