2013~14年にかけて、日本企業の人件費、個人の家計は大きな節目を迎える。健康保険の料率は既に年々上がっているが、この頃からは65歳以上の高齢者の増加に伴い、さらに上昇する可能性が高い。2014年には消費税率の引き上げが予定され、2016年度にはパート従業員の厚生年金適用枠の拡大も始まる。健保、年金の負担増加分を折半する企業と個人は新たな時代への対応が迫られる。際限なき負担増は、人件費抑制で競争力を維持してきた企業に新たな変革を迫り、個人にはさらなる我慢を強いるのは間違いない。だが下を向いてばかりはいられない。会社・個人が一体となって活力ある賃金・人事制度を作ることなしには、この荒波は乗り切れない。

(編集委員 田村 賢司、伊藤 正倫、鵜飼 秀徳)
(写真:Getty Images、CG合成・デザイン:横野 保)

CONTENTS

際限なき“健保・年金”負担
見えない税の理不尽

ストップ!負担増の連鎖
従来型削減は限界に

生き残りの3条件
賃金改革、待ったなし

日経ビジネス2012年5月14日号 24~25ページより目次