2012年5月28日号
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特集 徹底予測 2030年のアジア
発展度と高齢化率で5分類
10年先はおろか、1年先の経済でさえ正確に予測するのは難しい。だが、ある程度の精度で将来を予測することは不可能ではない。一国の経済成長は長期的に見ればその国の人口と強く相関していることを歴史学者アンガス・マディソン氏が証明した。人口という観点からアジアの近未来を俯瞰すると、どんな情景が見えるのか。
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特集 徹底予測 2030年のアジア
国内GDPは6倍超に、一国でなく31カ国と捉えよ
13億人を抱える成長市場――。広い中国を1つの市場として捉えるのは無理がある。行政区分としても中国大陸には4つの直轄市、5つの自治区、そして22の省があり、そこに56の民族が住む。言葉や文化も地域や民族ごとに異なると言われるほど多様で、1つの商品やサービスで中国全土をカバーするのは不可能に近い。
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特集 徹底予測 2030年のアジア
賃上げが内需を潤す
沿岸部と内陸部の格差はさらに増大し、国内に「先進国」「中進国」「新興国」が共存する。安価な労働力を前提にした「世界の工場」は終焉し、高付加価値品の製造に移行。賃金の上昇が消費という内需の拡大につながれば、「世界の市場」としての魅力は高まる。
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特集 徹底予測 2030年のアジア
生産年齢人口が減少に転じる、高付加価値品に生き残りの道
農村部から無尽蔵に供給される安価な労働力を活用し、安い工業製品を大量生産、そして世界中に売りまくる。過去30年間の中国は、この「世界の工場」というビジネスモデルで発展してきた。かつて外国から「デフレを輸出している」とまで批判された中国だが、最近は世界の工場としての立場を静かに、かつ確実に失いつつある。
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特集 徹底予測 2030年のアジア
賃金増と同時進行の物価上昇、将来不安から消費抑制も
中国から輸出された茅台(マオタイ)酒を中国人が海外から買って帰る。最近、こんな珍現象が起きている。国酒として珍重される茅台酒は重要な宴席にはなくてはならない。生産量が限られているため中国国内では入手が困難で、海外にわずかに流通している茅台酒を求めて東奔西走する中国人が後を絶たない。
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特集 徹底予測 2030年のアジア
賃上げ連鎖で最貧国が台頭、新旧拠点の連携がカギに
3年前にこの工業団地を見て、記者は正直なところ「本当に工場を呼べるのだろうか」と半信半疑だった。カンボジアの首都プノンペンにある工業団地、プノンペン経済特区(PPSEZ)の姿はそれから大きく変わった。味の素にミネベア、住友電装といった大手企業から、靴やアパレルの中堅中小まで、幅広い業種の日本企業の工場が次々に操業を始めている。
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特集 徹底予測 2030年のアジア
巨大経済圏の誕生
ASEANとインド、中国の3極が2030年までの世界経済を牽引する。工場移転で最貧国が急発展し、巨大都市の形成で消費の黄金期が到来。ただ、「中所得国の罠」で停滞する国も生まれ、2極化が進む可能性も。
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特集 徹底予測 2030年のアジア
電力不足、賃上げは日本のみならず
アジア共通の課題として、不安定な電力供給が挙げられる。原発停止による電力不足に苦しむ日本と違い、エアコンの普及などで伸び続ける電力需要に、発電インフラの整備が追いつかないという状況がこの先も続きそうだ。
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特集 徹底予測 2030年のアジア
都市化が「内需の質」を左右、主役インド、穴場ダッカ、マニラ
アジアの中間層に照準を絞れ――。今、多くの日本企業がアジア事業を強化している。では実際に各地の消費市場がどのような成長曲線を描こうとしているのか。「都市」を通じて全体を見渡すとイメージがしやすい。
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特集 徹底予測 2030年のアジア
課題先延ばしの成長に限界、中所得国の罠でEU的2極化
フィリピン・マニラで今年5月初旬に開催されたアジア開発銀行の年次総会。黒田東彦総裁は今後のアジアの成長に向けた課題を挙げた。
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特集 徹底予測 2030年のアジア
対等な立地環境作れ
FTA戦略で後手に回る日本。法人税などコスト面の不利という課題も抱える。だが、アジア各国では人件費などの上昇が続き、生産地としての優位性は今後薄れていく。条件面が対等に近づいていけば、立地競争でアジア諸国に対抗する道も開ける。
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特集 徹底予測 2030年のアジア
労働集約産業はアジアの新・新興国に
今は経営からは手を引き、あくまでオーナーとしての視点だが、労働集約型の産業を中国に立地することはますます難しくなっている。人件費は3年後にはさらに倍になっていても不思議ではないし、給料を上げても人が集まらない。あまり大きな声では言えないが、生産現場の第一線で指揮を執れるような人材の枯渇も深刻だ。
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特集 徹底予測 2030年のアジア
日本企業は存在感を保つ
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特集 徹底予測 2030年のアジア
アジアで輝く100社
時価総額を基に、アジアの有力企業100社をランキングした。日本経済は伸び悩むが成長を続ける企業は少なくない。今も3分の1を占める最大勢力だ。「電機」「通信」「自動車」「飲料・食品」の4業種で競合企業と比較した。
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特集 銀行儲けすぎの実像
銀行儲けすぎの実像
「1兆円稼いじゃ目立つよね。さすがに世間の批判を浴びかねない」
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特集 銀行儲けすぎの実像
銀行は貸すのが仕事
東日本大震災は銀行にその存在意義を問う契機にもなっている。被災地域の復興と課題山積の日本経済の立て直しをどう下支えするのか。要となるべき銀行自らがその答えを描き、行動に移す時だ。
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特集 銀行儲けすぎの実像
銀行の目利き力は今こそ必要
中小企業にとっては、今も金融機関による融資が柱だ。東日本大震災の影響もあって、中小企業に今ほど金融機関の力が求められている局面はない。
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特集 銀行儲けすぎの実像
「石橋を作って渡る」存在に
大手銀行をはじめ、多くの銀行が国債の売却益で業績を押し上げている。しかし、預金者は国債を買ってほしくて預金をしているわけではない。タダ同然の金利で預金を集め、タダ同然の利息しかつかない国債で運用する。こんな経営で許されるなら公益性がある存在として銀行免許を付与している意味はない。
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