2012年5月21日号
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特集 さよならテレビ
ドミノ倒しの舞台裏
シャープ、パナソニック、ソニー。史上最悪の赤字とトップ総退陣...。この春、畳みかけるような家電3社の崩壊が日本経済を襲った。再生を語る前に、3社の中枢で何が起こっていたのか、もう一度振り返る必要がある。
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特集 さよならテレビ
もはや主役ではない
家電量販店の主役は、今やテレビではなくスマートフォンだ。エコポイント特需が終わるとともに、テレビの供給量は需要を大きく上回った。国内市場は激減、世界も厳しい。テレビ不況に出口が見えない。
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特集 さよならテレビ
韓国勢優位が続く米テレビ市場
4月末の休日にニューヨーク市マンハッタンにある家電量販店、ベストバイのアッパーウエストサイド店を訪れた。セントラルパークの西側に位置するこの地域は、比較的所得水準が高い住民が多いと言われる。
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特集 さよならテレビ
異端児の出番
「大変申し訳ない話ですが、あれだけの損失を出してレガシー(旧来型テレビ事業)の後始末は終わったわけですから、あとは攻めるだけです」――。
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特集 さよならテレビ
「変態」をためらうな
蝶は成虫として生き残るために一度蛹(さなぎ)となって運動を休止する。これを「変態」という。環境変化に適応するための知恵だ。ニッポン家電にも萌芽はある。問題は躊躇せずにその芽を育めるかだ。
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特集 さよならテレビ
「おもちゃ屋」に回帰
「テレビ事業では売り上げやシェアを追わず、2014年3月期に黒字化させる」。ソニーの平井一夫社長はこう言い切る。2012年3月期のテレビ事業の売上高は8400億円、営業赤字は1480億円。2013年3月期には、前期1960万台だった売上台数は1750万台、売上高も7400億円に減る。営業赤字は800億円前後に改善するが、9期連続の赤字は確実だ。
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特集 さよならテレビ
ブランドにあぐらをかいてはいないか
優れた技術者が、韓国のサムスン電子やLG電子などに数多く流出したことは事実だが、それでもソニー社内には優秀な技術者が数多く残っている。こうした人材のアイデアを素早く商品化につなぐことが経営陣に求められる。
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特集 さよならテレビ
最強の下請けに
今年3月に米アップルが発売した新iPadに液晶パネルを納入した韓国サムスン電子。ある同社幹部は、「初期ロットには何とか食い込めたが、次からはシャープが脅威になる」と話す。
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特集 さよならテレビ
量産偏重から脱却を狙う
「提携によって、シャープの事業モデルは変わるだろう。簡単でないことは分かっているが、我々は友人としてともに苦境を乗り越えていく。儲けのためではない。シャープ、大阪、ホンハイ、台湾が協力すればいい結果が生まれるという私の信念を実証したいからだ」
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特集 さよならテレビ
日立、脱テレビで復活
瀕死の状態から「脱テレビ」で復活したのが日立製作所だ。慢性的な赤字体質を払拭し、2期連続で過去最高益を更新した。スピードと決断力、そして強い危機感が会社を変えた。
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特集 さよならテレビ
テレビ、撤退か継続かの最終局面
日本の家電メーカーがテレビ事業で敗北したのは、韓国メーカーや台湾の企業に技術的には負けるはずがないと、相手を過小評価したことと、韓国・台湾企業より安物は作れないという“自己規制”をかけたことが要因だ。