ユーロが再び世界の動揺を呼び覚まそうとしている。1300億ユーロを費やしたギリシャへの追加支援や、欧州中央銀行の1兆ユーロを超える長期資金供給で、夜明けの訪れにも見えた世界の情景は偽りなのか。ギリシャを襲った危機が他国に波及する恐れはないのか。通貨統合が崩壊の瀬戸際まで追い詰められることはないのか。ユーロ危機を克服し、財政再建と経済成長を両立する条件を探った。

CONTENTS
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スペイン:第2の震源
高騰する失業率、莫大な不良債権 -
ギリシャ:広がる絶望
機能不全の経済、忍び寄る公約破棄
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フランス:メルコジ体制の終わり
EU統合に背を向ける大国 -
イタリア:救国内閣、高い支持率いつまで
機能不全の経済、忍び寄る公約破棄
ギリシャ債務削減交渉、民間側責任者に聞く
「ギリシャは特殊なケースだ」