5月5日、日本国内の全原子力発電所が稼働を停止する。東日本大震災と東京電力福島第1原発の事故から1年。いまだに日本のエネルギー政策は迷走し、悪しき体質にまみれた東電の再建計画策定は難航する。エネルギーの未来図を巡る議論も百家争鳴を極める。内向きの議論をしている間に日本を取り巻く環境は激変。資源調達は綱渡りの様相を呈してきた。このままでは電力供給はさらなる危機に陥りかねない。東電改革を足がかりに、エネルギー戦略を立て直す。国内の旧弊打破なくして、日本経済の明日はない。

(編集委員 田村 賢司、安藤 毅、山根 小雪、北爪 匡)
(写真:Getty Images、デザイン・CG:佐々木 繁)

CONTENTS

切るに切れない関係
原発再稼働の裏の力

破壊と創造
改革の一歩は「東電」

原発事故はなぜ起きた
技術経営ミスが主因

自立への萌芽
電力会社に頼らない

“上流戦線”異常あり
脱「資源小国」への条件

内外で急がれる対応
「日本主体」の気概を

日経ビジネス2012年4月9日号 24~25ページより目次