長引くデフレに日本が蝕まれ続けている。約15年で名目GDP(国内総生産)の11%が消失、地価は半減した。事態を深刻化させたのは、後手に回った政策対応だけではない。物価下落の背景には、デフレ下で企業と個人に浸透した「安ければいい」という考えに根ざした行動がある。日銀は、中央銀行として覚悟の方針転換を敢行し脱デフレへ最後の猶予期間を作った。今こそ、企業と個人はデフレ思考から脱却する時だ。

(松村 伸二、張 勇祥、加藤 修平、伊藤 正倫)

(イラスト:今竹 智、デザイン:山崎 由梨)

CONTENTS

2012年が最終防衛線
日銀、15年目の「覚悟」

誤りだらけのデフレ常識
安値追求は衰退を招く

富山市の“脱デフレ”戦略
地方の衰退は止められる

最後のカギは意識改革
デフレ思考、損のもと