2012年3月26日号
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特集 さらばデフレ消耗戦
日銀、15年目の「覚悟」
日銀が物価安定の「目途」を設定し、事実上のインフレ目標の導入に踏み切った。その結果、急速な円安・株高が進行。脱デフレを図る最後の猶予期間が生まれつつある。この機を活用し一段の構造改革を進めないと、日本はいよいよ奈落の底に沈みかねない。
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特集 さらばデフレ消耗戦
安値追求は衰退を招く
不振を抜け出せないのは、戦略が間違っている。そう気づく企業が増えている。安値追求をはじめとするデフレ順応型の行動は、さらなる単価下落と衰退を招きかねない。長く続くデフレ下で普及した「経営の常識」が覆ろうとしている事例を紹介する。
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特集 さらばデフレ消耗戦
「本物」こそデフレ脱却の源
デフレ下で落ち込んだ収益力を日本企業が回復させるには、現状の単価下落を阻止するだけではおぼつかない。自社にしか作れない「本物の一品」を作り、価値が分かる消費者に高額でも買ってもらう。そんな「本物」志向が、「安物」に飽きた若い世代に広がりつつある。
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特集 さらばデフレ消耗戦
「感情」を動かせば高くても売れる
高価な材料を使い、新機能を盛り込んだからといって、消費者から「本物」と認められるわけではない。人の「エモーション(感情)」を突き動かす商品。トヨタ自動車は本物をこう定義する。
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特集 さらばデフレ消耗戦
地方の衰退は止められる
積年のデフレで疲弊し、活力を失った地方都市。中心市街地のシャッター通りはその象徴だ。打つ手が限られる中、富山市は地域一丸でデフレ退治に挑み、結果が出始めた。
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特集 さらばデフレ消耗戦
デフレ思考、損のもと
個人生活においても、デフレ思考は行きすぎると実害をもたらす。「極端な節約生活は人生の損」と気づき、生活を見直す個人も増えてきた。政府、企業に加え個人が意識を変えること。それなしに脱デフレは実現しない。
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特集 イケアの秘密
イケアの秘密
日本市場でも攻勢を強めている、家具チェーン世界最大手イケア。スウェーデンの極貧の村で生まれた雑貨店は、いかにして巨大小売りとなったのか。圧倒的に安い北欧デザインの家具で、世界の住生活を改善することを目指す──。その強さの源泉は、「宗教的」とさえ言えるほどに社員全員が信じる創業理念にある。さらに、非上場で財団が所有する複雑な企業統治が、長期のビジョン経営を支える。これまでベールに包まれてきた、イケアの強さの秘密に迫る。
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特集 イケアの秘密
カタログ読者は4億人
撮影スタジオの広さは8800平方メートル。ここで発行部数2億800万冊、300ページ以上にもなる分厚いイケアの商品カタログが撮影されている。1冊につき最低2人の目に触れるというから、読者数は4億人を超える。カタログ製作を担うイケアコミュニケーションズ(ICOM)のマネージングダイレクター、スザンヌ・プルベレール・ベルグストランド氏は、「カタログは1951年の創刊以来、最重要のマーケティングツールであり続けている」と話す。
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特集 イケアの秘密
家具を民主化する
1号店があるイケアの聖地エルムフルトには、今も世界戦略の司令塔がある。スウェーデン南部、人口9000人の田舎の村で、すべての商品が生み出される。創業理念を世界に伝えるデザインと安さは、いかに実現されているのか。
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特集 イケアの秘密
新商品は市場より2割安
イケア村を歩くと、イケアの家具を組み立てる時に使う、六角レンチの巨大なオブジェが玄関口に置かれた建物に出くわす。イケアの心臓部、イケア・オブ・スウェーデン(IOS)だ。ここで、世界で販売されるすべての商品がデザインされている。
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特集 イケアの秘密
CSRとコスト減を両立
コストを下げるうえで、デザインと並んで重要な役割を果たすのが、調達だ。イケアの調達先は現在、約1000社。しかし、その数は10年前の約半分に集約されている。しかも、上位150社で全調達量の半数を占める。
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特集 イケアの秘密
理念実現、まだ序の口
優れた機能とデザインを手頃な価格で――。その理念を全社員が信じて邁進する。非上場で財団が所有し、“もう1つのイケア”が理念を守る企業統治は、世界に類がない。創業理念を実現するために考え抜かれた経営モデル。グループCEOがすべてに答える。
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特集 イケアの秘密
イケア流、理念型組織の作り方
「採用面接では学歴や職歴は一切聞かれず、自分はどんな人間かだけを根掘り葉掘り聞かれた。素の自分でイケアの価値観に合わなければ、この会社で働き続けることは難しい。だから、私もコ・ワーカーの採用では履歴書を見ない」
オピニオン
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