新興国株の調整や円高を受け、足元では投資資金の国内回帰が鮮明だ。ただ、目を凝らすと底流では正反対の動きが強まりつつある。日本の将来に不信を抱く個人マネーが、静かに海外へ逃避しているのだ。今まで投資に縁遠かった人も、日本経済の脆弱性を認識し始めたと言える。個人マネーの新しい流れと、その背景を追った。

(張 勇祥、小谷 真幸、武田 安恵、香港支局 熊野 信一郎)
イラスト:今竹 智、デザイン:山崎 由梨

CONTENTS

掘り起こされた個人マネー
国境またぎ、西へ南へ

世界投資マップ
資産逃避先、世界に広まる

こんなに身近になった
個人の海外投資

識者に聞く
「日本離れ」の今後

日経ビジネス2012年2月13日号 22~23ページより目次