挑んだものの道半ばで敗れた者や苦境に立ち失意の中にある者たちが、時に改悛し、時に来し方の戦術を振り返る。敗軍の将は兵を語らず。しかし丹念な取材で聞き出した証言は、次に挑む者たちの道しるべになるだろう。週刊誌『日経ビジネス』の名物連載。
シリーズ
敗軍の将、兵を語る

418回
-
川崎の都市型水族館 コロナ下の開館も、2年足らずで破綻
新型コロナウイルス禍の中で開業した都市型の「カワスイ 川崎水族館」(神奈川県川崎市)。既存の商業ビルに入った日本初の水族館として注目されたが、2年足らずで破綻した。いったん魚を入れると停止はできず、維持費が重荷になった。…
-
神戸の瓦せんべい老舗、コロナ禍で154年の歴史に幕
神戸土産として一時代を築いた「瓦せんべい」の老舗が閉店した。明治時代に創業し、その歴史は2カ月の廃業をはさんで154年という長きに及ぶ。従業員の高齢化とコロナ禍にはあらがい切れず、名店は幕を閉じた。
-
電子カルテがウイルス感染 半田病院、診療2カ月ストップの大混乱
電子カルテシステムがコンピューターウイルスに感染し、2カ月にわたり通常診療がストップした。原因を調査した有識者会議が6月に報告書をまとめ、「情報セキュリティー意識が低かった」と指摘。病院トップは、サイバー攻撃を想定した訓…
-
長瀞のラフティング、利用低迷 知床沈没事故であおり
川下りのスリルを楽しむラフティング。埼玉県長瀞町で利用が低迷している。知床半島沖の観光船沈没を見た消費者が、水難事故を恐れていることが一因のようだ。新型コロナウイルス禍からの再起をかけた矢先の逆風に、関係者は肩を落とす。
-
アサリ産地偽装、熊本ブランドに激震 蒲島知事の危機感
県産として販売されているアサリの97%に産地偽装の疑い──。年明けから熊本県が揺れた。アサリに限らず、県産品全般の信頼を傷つけかねないと強い危機感を抱く。出荷停止や産地偽装110番の設置、トレーサビリティーの確立など、根…
-
ホテル予約の売買サービス新興、コロナで破産手続き
ホテル予約の売買サービスを手掛けていたCansellが、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けた。宿泊する権利の売り買いという仕組みは斬新だったが、新型コロナウイルス禍の影響は予想以上だった。新規事業の立ち上げや資金調達…
-
兵庫のミニシアター、2度目の危機 動画配信の波が打撃に
10年前に一度閉館し、復活した兵庫県のミニシアターが8月末にいったん休館する。新型コロナウイルス禍や動画配信のサービスに押され、赤字が恒常化していた。迎えた2度目の経営危機。新たな運営者のもとで事業の継続を探る。
-
宮崎県都農町、ふるさと納税の対象から除外 返礼品「ルール逸脱」
ふるさと納税の返礼品ルールに逸脱したとして、町が制度の対象から除外された。寄付額が減少し、2022年度の町の予算は前年度比で4割減となり、大打撃を受けている。「過度な返礼品を送って寄付を集めようとしたわけではない」と主張…
-
木工や藍染め 徳島の地場産品団体が解散
徳島市で地場産業を盛り上げてきた公益財団法人が解散した。活動拠点だった施設の改修に多額の費用がかかり、行政が閉館を決めたことなどがきっかけとなった。法人運営のための補助金も削られ、40年以上続いた活動の幕を閉じた。
-
嘆願かなわず 釧路の製紙工場撤退
北海道釧路市の基幹的な産業拠点として、1世紀にわたり工場を操業してきた日本製紙。同社に稼働の継続を求め、蝦名大也市長は何度も東京に出向いて協議したがかなわなかった。2021年9月に工場は閉鎖となり、同市の経済規模は縮小。…
-
低予算クラブ、3度目の降格 大分トリニータ
プロサッカーJリーグ1部(J1)から降格し、2022年シーズンをJ2で戦う大分トリニータ。降格の背景には、主力選手が複数引き抜かれた戦力ダウンがあった。予算規模の小さなクラブとして、いかにして地域に根付いていくのか模索が…
-
機内でマスク着用求められ拒否 呉市議に辞職勧告
広島県呉市議の谷本誠一氏が、同市議会から辞職勧告決議を受けた。新型コロナウイルスの感染予防で航空機内でのマスク着用を求められ、機内から降ろされたのだ。マスク着用は「日本では法律で義務付けられていない」と反論。国と航空会社…
-
日本のフランス語教育支えた書店 欧明社閉鎖
東京都心の小さなフランス語書籍の専門店が、ひっそりと幕を閉じた。戦後日本の仏語教育を支えてきたが、新型コロナウイルス禍が打撃となった。大学などの授業や教材が電子化し、書籍の需要が蒸発。中期的な仏語離れも原因という。
-
日本語学校、存続の危機 コロナ禍で留学敬遠
新型コロナウイルス禍への対策に伴い、日本への留学を敬遠する外国人が目立った。日本語学校の在籍者数は大きく減少し、業界は存続の危機にひんしている。外国人とどう共生していくのか、行政は社会を巻き込み本気で考えるべきだと訴える…
-
有力視されたセンバツ出場 まさかの落選
2021年秋に高校野球の東海大会で決勝に進み、「センバツ出場」が有力視されていたがまさかの落選。東海大会の決勝進出校が選ばれなかったのは1978年以来、44年ぶりの出来事だった。なぜこんなことになってしまったのか──。監…
-
名所になった眼鏡屋、閉店 価格安く店頭広告に工夫
東京・池袋で老眼鏡やサングラスを扱う「老眼めがね博物館」(東京・豊島)が閉店となった。壁にびっしりと眼鏡が並ぶ店舗の存在感や、ユニークな店頭広告(ポップ)が愛され名所にもなった。人を幸せにしたいと工夫を凝らしたが、時代の…
-
国内最大級の音楽イベント「ロッキン」 開催地が移転
日本最大級の音楽イベント「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル(ロッキン)」。2000年から茨城県ひたちなか市で開かれ、ロックの聖地といわれたが、今後は開催地が千葉県に移る。失われる経済効果は約11億円に上り、地元事業…
-
羽幌タイムス廃刊 消えた地域の灯
北海道の地域紙「羽幌タイムス」が2021年11月で廃刊となった。「言うべきことは言う」紙面づくりは地元の評価も高かった。1人で新聞をつくってきたが、家族が体調を壊したことなどをきっかけに75年の歴史に幕を閉じた。
-
立憲の辻元清美氏「敗戦は生まれ変わるチャンス、再起したい」
立憲民主党の副代表として臨んだ2021年の衆院選でまさかの敗北を喫した。大阪10区(高槻市、島本町)で日本維新の会の新人に敗れ、比例復活もかなわなかった。現実的リベラルの火を消してはいけない──。雪辱を期し、今夏の参院選…
-
サッカー公立の雄、大津高校が決勝敗退 雪辱誓う
全国高校サッカー選手権の決勝に初出場した、熊本県立大津高校(熊本県大津町)。屈強な選手の多い私学の雄、青森山田高校(青森市)に0-4で負け、初優勝は逃す結果となった。試合展開を巡りファンの間でも意見の分かれた第100回大…
WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
おすすめのシリーズ
-
小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
-
徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
-
クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
-
不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
-
菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
-
1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
-
10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
-
河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
-
ファクトフルネス思考
「データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した書籍『ファクトフルネス』は、日本で90万部を超えるベストセラーとな…
-
大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
日本の読者にとって欧州のニュースは遠い国々の出来事に映るかもしれない。しかし、少子高齢化や低成長に悩み、企業の新…
-
グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
-
フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
-
ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
-
テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
-
70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
全8回