2012年1月16日号
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特集 「世界の工場」が終わる
インフレの正体
廃墟と化した東莞市(広東省)の工場。ヨレヨレのスーツを身にまとった男が、さびついた門のカギを開けてくれた。彼がいた守衛室をのぞき込むと、3畳ほどの狭い空間に布団が敷かれている。彼は住み込みで門番をしているという。
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特集 「世界の工場」が終わる
Day1 北京
弟(藻谷浩介)ひどい大気汚染だな。町が霞んで見えるよ。飛行機のドアが開いた瞬間に耐えられなくなって、アレルギーの薬を飲んでしまった。
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特集 「世界の工場」が終わる
Day2 上海
朝一番の高速鉄道(中国版新幹線)で、北京から上海に移動する。本来なら飛行機で行くところだが、実は兄弟揃って、大の鉄道ファン。昨年の列車衝突事故も気にすることなく、鉄道での移動を選んだ。上海虹橋駅に降り立つと、興奮気味に会話が始まった。
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特集 「世界の工場」が終わる
Day3 広州
昨年8月、国家主席の胡錦濤(フージンタオ)が視察に来た、未来産業の実験地区が広州市にある。
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特集 「世界の工場」が終わる
中国人が逃げていく
「日本企業はケチ」「ダサイ就職先」…。日本企業から中国人社員が消えていく。昇給ペースが鈍く、優秀な人材が欧米や中国の企業に次々と引き抜かれ始めた。労働力が枯渇する今、中国での人事戦略は大転換を迫られている。
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特集 「世界の工場」が終わる
米製造業は5年で中国から撤退せよ
圧倒的な人件費の安さと豊富な労働力で世界中の製造業を引きつけてきた中国。その強みが急速に薄れてきている状況を受けて、米ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)は2011年8月、米産業界に衝撃的な提言を行った。少なくとも北米市場向けの製品について、5年以内に中国より米国で製造した方が有利になると予言したのだ。
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特集 「世界の工場」が終わる
日本人を超える日は近い?
一般の中国人はどのくらいの賃金をもらっているのか。パソナ中国の協力を得て、日本企業で働く中国人スタッフの年収を、職種ごとに示した。
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特集 「世界の工場」が終わる
動き出す無人工場
安い労働力を使った「世界の工場」モデルが崩れ、大変革の波が押し寄せた。最先端のロボットが大量投入され、未来のiPhoneはロボットが作るかもしれない。人手不足と高齢化で起きる社会変動の狭間に、日本企業のチャンスも見えてきた。
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特集 「世界の工場」が終わる
「高齢者3億人」を狙え
労働者不足と同時に、中国を襲うもう1つの人口問題がある。2040年、65歳以上の高齢者人口が3億1720万人に達すると国連は予想する。中国は今後、「老人大国」になる。全人口における高齢者比率こそ21.8%で、日本の36.5%と比べれば低い。だが、年金で支えなければならない人口が3億人を超える衝撃は大きい。その負担が中国社会に深刻な影響を与えることは間違いない。
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特集 「世界の工場」が終わる
習近平の産業革命
労働者不足で「世界の工場」は変革を突きつけられている。だが、この国の指導者は「経済成長」の成果で、出世競争を勝ち抜いてきた。次期国家主席となる習近平は、新時代の「世界の工場」を生み出すに違いない。
オピニオン
時事深層
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雇用改善でドルに資金流入