2011年、世界は「Japanization(日本化)」の危機におびえている。日本は急速に少子高齢化が進み、人口減少の時代に突入した。バブル経済の崩壊から続くデフレは失われた20年をもたらしている。世界最大の借金国である日本の財政は、金融危機後の財政出動で一段と悪化した。ここにきて欧州諸国は財政・金融の不安に揺れ、世界は日本の後を追うかのごとく。日本に訪れる未来は、世界の未来をも先取りするものだ。しかし、解決できない課題はない。確実に来る未来には、同じ数の処方箋がある。人口、財政、競争力。日本の未来を占うには、この3つの視点が欠かせない。そこにあるのは、日本人の力で前向きな推進力に転化できる未来。確実に来る「100の未来」に向き合えば、日本と世界の明日も見えてくる。今号から5週連続で、「技術」「企業」「都市」「人」などの切り口から日本の未来を展望する。

CONTENTS

人口が変える世界経済の勢力図

世界を変える4つの潮流

第1章 人口減少に立ち向かう
ストップ! 日本収縮

新たな雇用枠を作れ
山田 久 氏[日本総合研究所調査部長]

第2章 財政は破綻させない
苦闘が明日を照らす

「高収益国」として再生する
土居 丈朗 氏[慶応義塾大学経済学部教授]

第3章 競争力再生で飛躍
逆境が産業を鍛える

国内再投資の環境作りを
朝田 照男 氏[丸紅社長]

終章 未来を変えるチカラ
危機を逆手に取る

日経ビジネス2011年10月3日号 20ページより目次