2011年、世界は「Japanization(日本化)」の危機におびえている。日本は急速に少子高齢化が進み、人口減少の時代に突入した。バブル経済の崩壊から続くデフレは失われた20年をもたらしている。世界最大の借金国である日本の財政は、金融危機後の財政出動で一段と悪化した。ここにきて欧州諸国は財政・金融の不安に揺れ、世界は日本の後を追うかのごとく。日本に訪れる未来は、世界の未来をも先取りするものだ。しかし、解決できない課題はない。確実に来る未来には、同じ数の処方箋がある。人口、財政、競争力。日本の未来を占うには、この3つの視点が欠かせない。そこにあるのは、日本人の力で前向きな推進力に転化できる未来。確実に来る「100の未来」に向き合えば、日本と世界の明日も見えてくる。今号から5週連続で、「技術」「企業」「都市」「人」などの切り口から日本の未来を展望する。
CONTENTS
- 2011~24年/人口の都市集中が進行
- 2025~34年/人口減少が本格化
- 2035~39年/都市に元気なシニアが増大
- 2040~49年/ついに高齢者も減少
- 2050年~/80代男性、90代女性が「当たり前」の長寿大国に
「高収益国」として再生する
土居 丈朗 氏[慶応義塾大学経済学部教授]