「仙台工場の、防災拠点としての役割も高めたい」と語るキリンビール松沢幸一社長(写真:古立 康三)

 東日本大震災で大打撃を受けたキリンビールの仙台工場が9月26日、約半年ぶりとなる仕込みを開始した。

 貯蔵タンク4基が倒壊し、企業被災の象徴となった同工場。キリンビールの松沢幸一社長は、「今後は建物内のスペースを地域のコミュニティーの場として開放したい。仙台工場が東北復興、再生のシンボルになれれば」と意気込みを語る。合わせて、震災の記憶や教訓を風化させないために、当時の記録や報道記事、映像などを見られるスペースも検討しているという。

 キリンは今年上半期、ビール類の課税出荷数量でアサヒビールの後塵を拝した。仙台工場の再稼働に加えて、「3年ぶりに『選ぼう ニッポンのうまい!』キャンペーンを復活させる。巻き返しを図りたい」と松沢社長は話す。一方のアサヒも、停止していた福島工場の仕込みを10月3日に再開。残り3カ月、ビール2強はともにラストスパートの準備を整えつつある。

(佐藤 央明)
日経ビジネス2011年10月10日号 18ページより目次

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