(写真: 近森 千展)

 米アイロボットは、掃除ロボット「ルンバ」の新機種を10月7日に発売した。創業者であるアングルCEOは、ロボット産業で後れを取る日本企業について「技術のデモンストレーションに終始している。『なぜロボットを作るのか』という目的を追求していない」と手厳しい。

 ――東芝ホームアプライアンスなど日本企業も相次いで掃除ロボットを発売している。

 「ロボット掃除機の市場は急拡大しているので、企業が参入するのは当然だ。うちは10年かけて世界で600万台を販売してきた。技術的にもアドバンテージがあるので、新規参入は歓迎する。日本の消費者は品質に対する欲求のレベルが高いが、その期待に応えられれば、高価格でも買ってくれる」

 ――日本企業は脅威ではないのか。

 「日本勢は今でも技術的に突出している。問題があるとすれば、技術のデモンストレーションに終始していて、『何のためにロボットを作るのか』という目的を追求できていない点だ。実用性を徹底して高めないとロボットを生かす市場そのものが生まれない」

 ――軍事ロボットを福島第1原子力発電所に送り込んだ。こうした用途は想定内か。

 「全く想定していなかった。爆発物の処理や危険地帯での探索を目的に開発していたからだ。各地の原発に売り込む予定もない。軍事的な用途は、ロボットが持つ広い可能性のほんの一部にすぎない。今後は医療や介護などの市場に実用性の高いロボットを投入していく」

(聞き手は 上木 貴博)
日経ビジネス2011年10月10日号 18ページより目次

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