繊維部門にいた頃、部下を連れて地方に出張する機会があった岡藤正広氏。現場の空気を感じるため、街の百貨店に足を運ぶと、伊藤忠が展開しているブランド店が閉店する現場に出くわした。店長に理由を聞けば、「売り上げが伸びないから」と言う。商品を手に取ると、シャツが1枚2万5000円もした。「都心の百貨店ならまだしも、地方でこんな価格で売れるはずないやないか」と、岡藤氏は驚いたが、本社には現場の空気が分からない。恐らく、「この値段で売れ」と杓子定規に指示したのだろう。値付け1つ取っても、現場を知らないと、とんでもないミスを犯すことを実感した。

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日経ビジネス2011年10月3日号 89ページより目次