経営学の教科書に載っていることを一生懸命学んでも、すなわちよい経営ができるわけではない。自社の経営環境を踏まえ、定着のための仕掛けを凝らし、時にリーダーシップを発揮する。そこには「実践の奥義」がある。
シリーズ
実践の奥義

完結
25回
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天動説より地動説を信条に
現場の声を自ら拾い上げる「宴会経営」で知られるファミリーマートの上田準二会長。伊藤忠商事での新人時代、無口で内気な自分と決別し、仕事の面白さに目覚めたという。自分中心の学生時代と全く違う世界で、自らも変わり、周りに働きか…
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衝突しながら一緒に成長
今回登場するのは、大塚製薬で秘書から常務執行役員へ上り詰めた櫻井千秋氏。新人とは食事や飲み会でざっくばらんな関係を作る一方、仕事では厳しく結果を求める。「小さな失敗は成長のタネと考え、どんどん挑戦させる」という自らの育成…
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自ら学ぶ機会を奪わない
食べるスープの専門店「Soup Stock Tokyo」を運営するスマイルズ。「世の中の体温を上げる」という使命に共感し、毎年多くの学生が入社を志望する。アーティストとしても活動する創業者の遠山正道社長に、新人教育の理念…
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芝居してでも顧客をつかめ
今回持論を披露するのは「消臭ポット」などの製品で知られるエステーの鈴木喬会長。新人社員には、社内外の人に頭を下げて聞きまくり、芝居してでも顧客に好かれろと助言。「最近の新人社員は優秀」として、彼らの力を生かせる組織への転…
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自らの「ミッション」を持て
4月を迎え、企業の職場に新入社員が配属される季節が再びやってきた。彼らをどう育成すべきか。企業の経営トップらに新人時代を踏まえた持論を語ってもらう。初回は、スターバックス日本法人トップなどを歴任した岩田松雄氏が新人の心構…
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キリン独自の強みを生かす
東日本大震災の発生から2年。被災地では復興に向けた取り組みが本格化し始めた。寄付やボランティアを中心とした企業の被災地支援は、今後どう変わっていくべきか。今回は本業のノウハウ活用を視野に入れたキリンの新たな支援活動を取り…
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寄付から出資・融資へ
東日本大震災からまもなく2年。東北の被災地の軸足は、復興へ本格的に移り始めた。それを受けて、支援のあり方をどう変えていくべきか。先進企業の取り組みに学ぶ。今回は、従来の寄付とは一線を画した資金援助を始めた三菱商事の試みを…
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経営の起点は「顧客」と確信
マーケティング理論の発展に寄与し「近代マーケティングの父」と呼ばれるフィリップ・コトラー。米国留学中にその薫陶を受けたYKKの吉田忠裕会長は、卒業後も交流を続けている。YKKの経営に携わる中、コトラーに学んだ「顧客視点」…
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社員の価値基準にまで浸透
知識創造理論を提唱し、ナレッジマネジメントの世界的権威として知られる野中郁次郎氏。その著書や論文は海外で広く翻訳され、国内外の多くの経営者に影響を与えてきた。野中イズムを自社の経営に落とし込んできたエーザイの内藤晴夫社長…
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「やらない決断」の基準に
「競争戦略論」の世界的権威として経営論壇を牽引してきたマイケル・ポーター。オイシックスの高島宏平社長は、同氏の理論を日々の経営判断の後ろ盾にする。「競合相手は意識しない」と公言する同社長によるポーター理論活用の要諦とは。
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経営の普遍的な法則を学ぶ
今年シリーズ4作目が出版された『ビジョナリーカンパニー』の著者、ジム・コリンズ。ピーター・ドラッカーの後継者と言われる経営学者で、日本の経営者にも信奉者は多い。DOWAホールディングスの吉川相談役は同書を基に事業の撤退・…
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バイブルとして熟読し応用
「経営学の父」「20世紀を代表する知の巨人」と評されるピーター・F・ドラッカー。2005年11月に永眠したが、約30冊の著書は今も多くの経営者に読まれ、影響を与える。キヤノン電子の酒巻久社長もその1人。ドラッカー理論を経…
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多様性を生かす軸を持て
米P&Gで日本人初のアジア責任者に就いた桐山氏のリーダー術を、引き続き紹介する。同社が評価するのは「変革を起こす人材」。それは採用から評価、昇進まで一貫している。そうした変革を実行するリーダーたちが、意思決定で重視する企…
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働き方革新を率先実行
米P&Gはここ数年、あらゆる面での効率化を目指し、全社的にデジタル化を進めてきた。その実効性を高めるため、多様な働き方を許容する制度を積極的に利用する風土を醸成。日本人初のアジア責任者に就いた桐山一憲氏のリーダー術を、2…
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4強入りを支えた決断力
前回に引き続き、今夏のロンドン五輪で日本代表を率いた知将の監督術を紹介する。今回登場するのは、男子サッカー日本代表を44年ぶりのベスト4に導いた関塚隆前監督。スペインはじめ強豪を次々と破る快進撃の裏で、指揮官が果敢に下し…
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緻密と機転でメダルに導く
日本中が沸いたロンドン五輪。日本代表を率いた智将の監督術を2回にわたり紹介する。最初に登場するのは、女子バレーで28年ぶりのメダル獲得を実現した眞鍋政義監督。就任直後からメダルを最終ゴールに通過点の目標を立て、緻密なチー…
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無自覚の現実を見える化
縦割りの組織がもたらす弊害の解消は、いつの時代も企業経営の大きな課題だ。従業員たちにコミュニケーションを促しても、なかなか成果は上がらない。パタゴニア日本支社では、「U理論」という新たな変革手法で事態の打開を試みた。
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新人部隊に再創業を託す
多くの企業が既存事業で行き詰まり、新たな成長事業の育成という課題に直面している。専門商社の内田洋行はいち早く同じ課題を抱え、2001年に第2の創業に乗り出した。そのために打った手は新人だけの研究開発部隊に委ねるという荒技…
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安定株主は17万のファン
株主数の99.5%を個人が占めるカゴメ。その数、17万人。しかも3分の1が主婦だ。彼らはカゴメ株を長期保有するだけでなく、商品を一般消費者の10倍も購入してくれる。安定株主と優良顧客を同時に確保するカゴメのIR(投資家向…
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カギは脱常識と当事者意識
5月22日、東京スカイツリーに併設された「すみだ水族館」が開業した。運営するのは異業種のオリックス不動産。旅館などの再生で培ったノウハウを注入した。その手法には、不振事業の再建や組織の活性化を実現するヒントが詰まっている…
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小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
「ピース・オブ・ケイク(a piece of cake)」は、英語のイディオムで、「ケーキの一片」、転じて「たや…
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徹底予測2021年 底打ちか奈落か
日本経済の節目の年として幕を開けた2020年は、誰もが予想できない最悪の1年となった。すべての始まりはコロナ禍だ…
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クルマ大転換 CASE時代の新秩序
総付加価値額が450兆円ともされる自動車産業の構造が変わり始めた。GAFAやEVスタートアップ、ソニーなどが新た…
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不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
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菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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1000年企業の肖像
日本は創業100年以上の企業が多くあり、世界一の長寿企業大国として知られる。その中には創業1000年を超えると伝…
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10 Questions
いま、世の中で起こっていること。誰もが知りたいと思っていること。でも、ちゃんと理解できていないこと。漠然と知って…
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河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
上司と部下が、職場でいい人間関係を築けるかどうか。それは、日常のコミュニケーションにかかっている。このコラムでは…
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ファクトフルネス思考
「データを基に世界を正しく見る習慣」を紹介した書籍『ファクトフルネス』は、日本で90万部を超えるベストセラーとな…
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大西孝弘の「遠くて近き日本と欧州」
日本の読者にとって欧州のニュースは遠い国々の出来事に映るかもしれない。しかし、少子高齢化や低成長に悩み、企業の新…
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グルメサイトという幻
食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ──。外食店探しに欠かせない存在となったグルメサイトの地位が揺らいでいる…
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フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える
この度、故有りましてこの日経ビジネスオンライン上で、クルマについて皆様と一緒に考えていくナビゲーター役を仰せつか…
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ファストリ、異次元の経営
コロナ禍の混乱からいち早く抜け出したファーストリテイリング。破綻が相次ぐアパレル業界にあって、なぜユニクロだけが…
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テスラが仕掛ける電池戦争
日本でも2030年代半ばに新車販売でガソリン車をゼロにする方針が打ち出されるなど、各国の環境規制強化により普及段…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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