シリーズ
編集長の視点/取材の現場から

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桜の春は別れの季節 大切な人に贈る言葉
梅から桜の季節へと変わる頃になると、亡くなった父のことを思い出します。2月14日のバレンタインデーに入院。そこから昼夜離れず付き添い続けた母にお返しするように3月14日のホワイトデーに息を引き取りました。人は死に向かって…
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鈴木修さんの激怒やむ 浜松市と静岡市の関係
スズキ会長の鈴木修さんが6月に経営の第一線から退きます。思い出すのは5年前。スズキとトヨタ自動車の提携のスクープを日経新聞に載せたところ、修さんが激怒。日経懇話会からの退会を通告してこられた時のことです。
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夢の核融合資源を狙う 月に見るウサギとカメ
個人の人生は果てしない後悔の繰り返しですが、英知を集めてもやはり後悔することはなくならないようです。
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失敗を許すパトロン 脱炭素の革命起こす
偉大なイノベーションには相応の苦労がつきものです。産業革命の中心的なイノベーションである高効率蒸気機関を発明したジェームズ・ワットもずいぶん苦労したようです。ワットが蒸気機関の研究を始めたのは1760年ごろ。
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暗く静かな長い行列 今も胸を詰まらせる光景
暗い道を、ほとんど声を発する人がいない長い行列でした。1995年1月に起こった阪神大震災。被災地の取材の帰りに神戸から電車が動いていた西宮北口駅まで5時間ほど歩きました。倒壊した家屋が並ぶ国道2号。停電で灯りを失った夜の…
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超・少子高齢化時代へ 恋の初めと2つの格差
大学生に切実な問題が発生しています。勉強そのものはオンライン化で場所や時間の制約が薄れ、むしろ効率的になったとの声があります。困ったのは、新しい仲間との出会いが少なくなっていること。特に男女の出会いが深刻です。若い会社員…
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立ちどまるなふりむくな 企業人は切り替えが命
新型コロナウイルスによって、人生が思っていたものとは違ったものになってしまった方々が多くいらっしゃると思います。いいことか悪いことか、もう元に戻ることはありません。
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乾電池王と呼ばれた男 日本企業に残した教訓
またやられてしまうのではないか──。そんな嫌な思いが拭いきれません。電池の話です。分断する世界で数少ない共通目標となりそうな脱炭素。それに向けたキーデバイスである「電池」で日本はまた半導体や液晶、家電などと同じ轍を踏まな…
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社員の貯金で倒産回避も考えた松下幸之助 経営の神様の勇猛心
出口の見えない疫病との闘いが続いています。厳しい事業環境を何とか耐えていかなければなりません。今号の特集「ファウンダーの教え」では暗闇の中の道標を探すべく、偉大な起業家が度重なる困難にどのような心持ちで向き合い、どういっ…
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中国であった危ない話 おいしい話は裏がある
ある東証1部上場のハイテク企業の経営トップが「あの時は危なかった」と振り返っていた出来事があります。よく「あるある」のようにその手の話を耳にしますが、実際に当事者から聞くのは初めてでした。
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誰でも作れるユニクロ 凡人と柳井氏との違い
一体何が違うのでしょうか。「ユニクロ」でおなじみのファーストリテイリングはバブル崩壊後の失われた30年で、日本で最も成長した会社です。世界一目前の巨大アパレルを率いる柳井正さんは日本一の富豪だそうです。片やこちらは、しが…
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さようなら「社畜」人生 新しい人と会社の関係
「うちにはサクラ株という特殊な株式がありましてね……」かつて製紙で業界4位だった大昭和製紙の幹部に相談されました。その特殊な株は多くの社員の名義になっているのに、会社が管理し創業家の意に沿うように議決権を行使するというの…
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予測を当てる2つの術 疫病も売上増もピタリ
知人に「編集長の予測は当たりましたね」と言われ恐縮してしまいました。2020年の年初の原稿で「明日の見えない時代に突入する」と書いていたのです。経営者にとって先行きの見える期間が極端に短くなりそうだと指摘しただけで、疫病…
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不都合な真実に絶句 かわいそうな経営者
「私は寝てないんだ」と言って非難された雪印乳業の社長を少し気の毒に思って見ていました。2000年夏。1万人を超す食中毒事件を起こした同社は度重なる謝罪会見を迫られていました。
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投資家を選んだ孫さん お金の奴隷になるのか
1カ月ほど前の話ですが、残念に思うことがありました。ソフトバンクグループの孫正義会長が決算会見で「ここから先はAI革命への投資会社になる。これ1本だ」と言い切ったことです。
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稲盛氏の成功への転機 神が与えたもうた試練
成功の裏にはターニングポイントとも言える時期や出来事があるものです。先日、京セラ創業者である稲盛和夫さんの長年の側近として知られる大田嘉仁さんと雑談をしていた際、「あれで稲盛さんは変わったんじゃないかな」というターニング…
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関西財界のお家芸とは 掛け声倒れの地方創生
大の大人の名誉欲を巡る争いは、はた目には幼稚園児のケンカにしか見えない時があります。かつて繰り返された関西財界のケンカもそう見えました。
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そのポテトは安全か? 食糧危機と人類の技術
「それって絶対食べちゃいけないやつじゃないの?」「一体、何でできているんでしょうかねえ」今号の特集は「食糧」。先日、取材班の江村記者が自宅にある奇妙なフライドポテトの写真を見せてくれました。手を伸ばせばそのまま食べられそ…
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ジャック・マーの悲劇 自由と統制に潜む相似
やっぱり中国は恐ろしい──。「アリペイ」を運営する中国アント・グループの上海・香港市場への上場が予定日の2日前に突然延期になりました。調達額は3兆6000億円と史上最大になるはずでしたが、あっけなくキャンセルとなりました…
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ナポレオンも悩んだ 才能はいつ花開く?
中学時代からの親友は高校を出て職を転々。ホームレス同然の生活の後、地方の建設会社の住み込み作業員となりました。そこで現場監督に「この工程は効率が悪い」「こうすればもっと速くできる」などと意見しているうちに、監督代行に。仕…