シリーズ
編集長の視点/取材の現場から

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しわ寄せ世代は幸せか
実は私も氷河期世代です。バブルの残り香が漂う頃に社会人になり、「失われた30年」とともに会社人生を過ごしてきました。バブル入社組と比べると同期は半分で、ポストがなかなか空かない。後に続く後輩はもっと少ないので、いつまでた…
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「官僚たちの冬」の時代
「おれたちは、国家に雇われている。大臣に雇われているわけじゃないんだ」。城山三郎氏の小説『官僚たちの夏』の主人公、風越信吾は大臣の前でもノーネクタイで通し、強烈な自負を持って高度成長期の国造りにまい進します。
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百福翁が語る「破壊」と「執念」
「ぶち壊してしまえば、必ずあとから何かの芽が出る」。日清食品の創業者、安藤百福氏の言葉です。
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「にんげんだもの」と行動経済学
「つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの」ノーベル経済学賞受賞者のリチャード・セイラー教授は昨年秋、日経ビジネスLIVEのウェビナーで詩人・相田みつを氏の有名な詩を紹介しました。「(不確実性の高い)人間的な要素を経…
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「からあげクン」もお手上げ
ローソンが 1986年の発売以来、初めて「からあげクン」を値上げします。36年間、税別200円を守り続け、累計37億食を販売した看板商品。ローソン・竹増貞信社長は値上げ発表前のインタビューで「鶏の餌になる穀物が急激に上が…
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サウナ特集ですみません
ゴールデンウイーク(GW)なので許してください。今号は「サウナのすゝめ」特集です。ウクライナ危機のさなか、こんなゆるい特集を組んでいいのかどうか迷いましたが、サウナ好きが集まった取材班の熱量に負けました。聞けば、企画案も…
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成り上がり伊藤忠、失敗に学ぶ
「独立国として、主権国家として、やはり主体性を持つには、主食とそれに準ずるものの自給率を上げ、エネルギーの備蓄をふやすことは必要ですね」これはウクライナ危機に混乱する昨今の経済情勢の議論ではなく、1973年に伊藤忠商事副…
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氷河期迎える食の売り場の戦国
織田信長、武田信玄、上杉謙信……。群雄割拠して天下の覇を競う戦国時代。生き残りに向け、武力と知略がぶつかり合う人間ドラマに魅せられます。
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転勤肯定派ですが何か
20年ほど前の話。上司から突然、大阪への転勤を言い渡され、頭が真っ白になりました。子供はまだ小さく、マイホームを購入したばかり。地方から上京して仕事に慣れてきた私には当時、「飛ばされた」という印象が強かったように思います…
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桜の季節に戦禍の国の春を想う
すべての暴力は、戦うことなく相手を屈服させることはできようが、相手を従順にすることはできない──。
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「会社の寿命」を延ばせるか
「会社の寿命は30年」。日経ビジネスが1983年に唱えた説です。総資産や売上高などの変化を分析し、企業が繁栄を謳歌する旬の期間は30年ほどと割り出しました。コロナ禍やウクライナ危機など不確実性が高まる現代では、会社の「寿…
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組織を殺すパワハラという病
ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部の独立承認を議論する会議で、政権幹部を厳しく詰問・叱責する映像がネット上で拡散しています。これを見て、同様のやりとりが自分の職場にもあると思った人は少なくないのではないでしょうか。
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世界史に刻まれる愚挙
我々は歴史から何を学んでいたのでしょう。偏狭なナショナリズムが行きつく先は、古代から現代まで常に国家間戦争でした。米国や中国、欧州で台頭するナショナリズムに目を奪われ、チェチェン紛争からクリミア併合に至るロシア大統領プー…
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「春闘」が終わった日
今から20年ほど前、電機大手の春闘を取材していた時の話です。当時はITバブル崩壊後の大規模リストラのさなか。各社労組は賃上げを早々に断念し、定期昇給(定昇)を含む賃金体系の維持が争点でした。集中回答日の未明まで各社の労使…
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ゲームチェンジを起こせるか
「脱炭素」という世界経済のゲームチェンジにいや応なく巻き込まれる日本企業。その中で、ルールが変わったことを前提に経営を変え、成長につなげようとする日本企業はどこか。今号の特集「脱炭素経営ランキング」では、68人の専門家の…
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囲い込みと抱え込みの愚
日経ビジネスがキーエンスという企業の特集を組むのは2003年以来、実に19年ぶりです。当時の特集は「利益率40% 驚異の経営 キーエンスの秘密」。このタイトルの「40%」を「50%」に変えれば今回の特集タイトルが成立する…
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歴史築いたカリスマからのエール
節分にその年の「恵方(えほう)」を向いて太巻きずしを食べる「恵方巻き」。この原稿の締め切りの2月3日にその起源を調べると、大阪の船場商人の商売繁盛の祈願事を1998年にセブン-イレブンが全国展開して一気に日本中に広がった…
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人生設計、低年金時代を前提に
年金を世界で初めて導入したのは19世紀のドイツ帝国初代宰相、ビスマルクです。社会主義運動を厳しく取り締まる一方、労働者が安心して働くための社会保障制度を充実させる「アメとムチ」の政策で、帝国への忠誠心を高めました。
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応援したくなるブランドづくり
「マーケティングとは経営そのもので、消費者に自社を愛してもらうことが最終的なゴールだ」マーケティングの父として知られる経営学者、フィリップ・コトラー氏の言葉です。
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包容力で時代築いた中興の祖
今号の特集は「中興の祖ランキング」。1990年以降の在任期間中に時価総額をどれだけ引き上げたかが基準ですが、もちろん経営者の成果はそれだけでは計れません。「なぜあの人が入っていないの」など酒のつまみになる話を提供できれば…