シリーズ
編集長の視点/取材の現場から

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早起きは三文ならぬ「三方よし」
「早起きは三文の徳」ということわざは「3日早起きすれば一人前の仕事になる」を意味する中国の古い詩の一節が由来だそうです。これを地でいくのが今号の特集「産める職場の作り方」で取り上げた伊藤忠商事の朝型勤務です。
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DXすべきは経営者の頭の中
先日インタビューしたPwCグループのボブ・モリッツ会長の一言が忘れられません。「ここ数年の日本企業を見ていると、デジタル化などの変化を取り入れ自己改革するスピードが一段と鈍化しているように見えます」
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異常事態はいつまで続くのか
政府は9月末、3カ月にわたった夏の節電要請を解除したばかりですが、この冬も再要請する方針です。東日本大震災後の2011~15年に夏冬の節電要請が続きましたが、それ以来の緊急事態。原子力発電所の再稼働が進まず、老朽化した火…
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孤独を癒やす感情的知性
コロナ禍の中で定着したリモートワーク。育児や介護を抱える人には働きやすい環境になり、通勤時間がなくなって仕事の効率が高まった人も多いでしょう。一方、若い社員の育成やコミュニケーションロスなどの弊害も目立っています。最も深…
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日本人はなぜ鉄道が好きなのか
乗り鉄、撮り鉄、収集鉄……。「鉄オタ」や「鉄ちゃん」といわれる鉄道マニアは日本に2万人ほどいるそうです。電車に乗るのが好きな人だけでなく、写真を撮ったり、切符や駅スタンプを収集したり。ちなみに今号の特集「鉄道の岐路」を執…
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ゾンビ企業と呼ばないで
今号の特集は「増殖 ゾンビ企業」です。ゾンビはブードゥー教でいう「生ける屍(しかばね)」。おどろおどろしいタイトルですが、ゾンビ企業とは経営が破綻状態にあるのに銀行などの支援によって延命し続けている企業を指します。
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「観光公害」は復活させるな
5年ほど前の話。秋の観光シーズンに京都出張が決まり、直前に宿を探すと市内のビジネスホテルはほぼ満杯。空いていたのは需給に応じた変動価格制を導入する大手ホテルチェーンで、シングルルームが1泊何と4万円超の値段。大阪も高級ホ…
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「利他の心」貫いた平成の聖人
「資本主義の父」渋沢栄一氏、「経営の神様」松下幸之助氏。そして、8月24日に死去した稲盛和夫氏は後世に何と呼ばれることになるのでしょう。明治・昭和・平成をそれぞれ代表する3人の経営者に共通するのは、人生を懸けて貫いた「徳…
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HONDAとSONYの第2章
戦後間もない頃、ホンダ創業者の本田宗一郎氏がソニーグループ創業者の井深大氏を初めて訪ねました。「エンジンを点火するのに、トランジスタ(半導体)が使えないかという相談でした」(井深大著『わが友 本田宗一郎』から)
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農は万業の大本なり
お盆に帰省したのは3年ぶり。地平線まで広がる青々とした水田を見渡すのも久しぶりでしたが、所々に休耕田や耕作放棄地が増えているのに気付きます。2軒隣の酪農家はいつのまにか廃業していて、懐かしい牛の鳴き声も聞こえません。ずっ…
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コロナ禍は外食を強くするか
「急なキャンセルが2件出てしまって。よろしければ今からいかがですか」。先日、予約を取り損ねた居酒屋からこんな電話がかかってきました。書き入れ時の週末に切迫した様子。コロナ第7波の影響は夜の街にじわり広がっているようです。
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トリックスターは夢見る子供
その一挙手一投足が注目される希代のトリックスター、イーロン・マスク氏。最近のツイッター発言から彼の頭の中をのぞいてみます。
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50にしていまだ惑ってます
「吾、十有五にして学に志し、三十にして立ち、四十にして惑わず、五十にして天命を知る」あまりにも有名な孔子の論語の一節。すでに50歳を超えた私ですが、天命など知るべくもなく、いまだ惑うことばかりです。皆さんはいかがですか。
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日立の樹に花は咲くか
駆け出しの記者時代、日立グループの取材で印象的だったのが、上場子会社トップの面白さです。官僚的な親会社の経営陣と比べて魅力的な人が多く、業績もいい。「自分たちが日立グループを支えている」という自負にあふれていました。
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評価すれど神格化するなかれ
凄惨な死が、その名を歴史に深く刻むことになるのでしょう。凶弾に倒れた日から世界中から哀悼と賛辞の言葉が集まり、3日後に最高位の勲章授与が決まり、通夜には2500人が長い列を成しました。
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ガラパゴスにならないために
「ガソリン自体が悪いわけではなく、問題なのは二酸化炭素(CO2)です。欧州で電気自動車(EV)が主流だからといって、日本がそこに一辺倒になるわけにはいきません」
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東京は住みやすい街か
東京に住んで30年近くになりますが、うだるような夏の暑さには全く慣れません。都心ではコンクリートとアスファルトが熱を放射し、自動車の排ガスやエアコンの室外機からの熱風がさらに気温を高めます。コロナ禍のリモートワークの定着…
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分断の時代のリスク経営
「誰もが国境のない世界を目指しているように見えた時代は過ぎ去り、突然、誰もが少なくともいくつかの国境が経済発展と安全保障の鍵であることを認識するようになった」──。今号のグローバルインテリジェンスで、ノーベル経済学賞受賞…
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神が振ったサイコロ
「神はサイコロを振らない」と言ったのは、かの天才科学者アインシュタイン。量子力学の父、ボーアとの論争の中で、量子力学は不完全な理論だと批判しました。しかし、この論争が量子力学の基礎を固め、現在に至る量子コンピューターの時…
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その不祥事、不正か不適切か
6月下旬の株主総会に諮る取締役選任案に内部から異論が出るなど、経営の迷走が続く東芝。2015年7月にパソコン事業などの利益水増しの調査報告が出てから、もう7年の月日がたとうとしています。